長野県内各地に、「希望の灯」が次から次へとともっていました。
年明け最初にこの灯をともしてくれたのは佐久市の市民の方々でした。
浅間山のなだらかな山すそが拡がる佐久市では昨年、“中村哲さんの映画上映を実現したい・・・。”そんなお声があがり、周りに賛同の輪を拡げようとお呼びかけをしましたが、返って来たお声は、“何を今さら・・もう何度も観ているよ・・・”こんなお声でした。
この作品の配給について製作元の日本電波ニュース社と話し合いを始めた時、電波ニュースから伝えられたのは、同名の<DVD版>がすでに発売されていて、本来は上映権のないこのDVDを使って各地で上映がされていて、この動きが私たちの配給の障害にならなければ・・・そんな危惧の念でした。
<DVD版>と<劇場版>は同じ作品ですか?とお聞きしたところ、作品は違いますとのご返事。
<劇場版>は中村さんがお亡くなりになった後のアフガンにもロケをして、その状況もおさめているので作品は明確に異なるものです、・・とのことでした。
そして<劇場版>は、数ある中村哲さんの映像作品の中で唯一上映権(人を集めて上映を行う権利)の備わった作品でした。
それでも、私たちが各地でこの映画の上映のお誘いをした中で、DVD版での上映のことはいくつかの障害になっていました。
さて佐久市ですが、そんなお声が周りから出て、いささか意気消沈をした様でしたが、意を決して私にご連絡を下さいました。
“とにかくお会いしたい・・・。”とお伝えして佐久を訪れて、ていねいに事の経過、そして<DVD版>と<劇場版>の違いをお話しました。
正規の上映権のある<劇場版>の上映で、映画の創り手の権利も守って欲しい・・・そんな私の思いを受け止め、上映を決意して下さり、迎えた上映会は800席の会場では入り切れず、第2会場も設定しての大成功上映会となり、900名の市民の方々が足を運んで下さいました。
引き続いての上映は、以前のブログでもご紹介した茅野、松本、塩尻の三市連鎖上映でした。
結果は、茅野市1,123名、松本市1,441名、塩尻市1371名、・・・これも当初予想もしなかった大成功上映会となって、希望の灯はその灯を県内に次から次へとともして行ったのでした。
昨年末から報道をにぎわしていた政権与党の裏金を巡る不法行為の数々、年明け早々の北陸の地震・・・未来に向けて漠たる不安を感じさせる現代社会・・・こんな時代の中で、多くのそして幅広い方々が改めて中村哲さんの残した足跡の高潔な意義に気付き、上映会に足を運んで下さった証は各地での窓口入場者とプレイガイド販売の驚異的な数字にも現れたのではないかと思えるのです。
長野県内各地にともった希望の灯は、飯田市、駒ケ根市、上田市、安曇野市に更にその輪を拡げて、更に全県に拡がる人の幸せを願う大きな上映運動となろうとしているのです。
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by cinema-tohoku
| 2024-02-07 09:56
| 映画
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