東北大学の川島隆太先生が開発した「脳トレ」を通して、認知症の予防や改善にあてようとした「学習療法」は、これを全国に拡げ、このことを通して「地域社会の再生」を計ろうとした「公文」の方々の手で、その輪は大きく拡がっていました。
このシンポジウムは、「学習療法」が開始から10年を数え、ここからの更なる発展を願って、そのスタートとして開催されたものでした。
「学習療法」をテーマに製作した長編記録映画「僕がジョンと呼ばれるまで」の全国配給に取り組んでいる私も、川島先生のご講演があるとお聞きして参加して来ました。
このシンポジウムの冒頭ご講演に立たれた川島先生は、50分の限られたお時間でしたが聴く者の心に響く語り口調で、高齢化社会のあり得べき素晴らしき未来について語って下さいました。
そのキーワードは「スマートエイジング」…。
年を重ねることは成長であり、加齢は発展である。
脳を意識的に使い、脳の前頭葉を活性化させることが出来れば、その先には素晴らしい高齢化社会を実現出来る…。
そんな、あり得べき未来を、先生は分かりやすく私たちに語って下さいました。
そして、それに引き続き上映された「僕がジョンと呼ばれるまで」は、前段の川島先生のお話を受けてのものだったこともあり、観客の胸に高齢化社会に向けた確信も語ってくれた様でした。
このシンポジウムにご参加された方々の輝く表情を拝見して、こんな一歩一歩の運動の積み重ねが、きっといつかは素晴らしい未来を拓く…。
そんな思いを胸にしまって、次の出張先京都へ向かったのでした。

