人気ブログランキング | 話題のタグを見る
 今日は8月6日、79年前のこの日、人類史上初の原子爆弾が広島の上空で炸裂して、一瞬にして10万人もの命を奪ったその日です。
 しかし時間は流れ、あの時から79年・・・朝開いた新聞は、パリオリンピックの狂乱の如き記事が紙面を独占し、79年前の広島を伝える記事はその隅に追いやられていました。
 現地で行われた「平和祈念式典」で語られた岸田総理の言葉のあまりの軽薄さには、思わず心ふさぐ思いにさせられました。
 口から吹き出る言葉は、“核兵器の廃絶”を語りながら、その実アメリカの核の傘におさまり、軍事予算を一気に倍増させようとしている当人が、平和と核の廃絶を語る滑稽さ・・・。
 世界には戦火が絶えず、子どもたちの悲しい声が耳に伝わってくる今、思わず暗澹とさせられた8月6日でした。
 今、全国に大きな勢いでその上映の輪を拡げている中村哲さんの映画・・・命と平和を願って自らその先頭に立って一生を捧げた中村哲さんの潔い生き方がこんな時代の中に光となって伝わっていることが大ヒットの証しなのだと思えるのです。
 命が問われている現代社会・・・。
 こんな時、我が家の庭に小さな命が生まれました。
 庭にヒヨドリの姿が目立ち始めていました。
 気付けば、木の葉に覆れれた梢の一角に可愛いらしい巣がつくられていました。
 そして、その巣にヒヨドリは6つの卵を産んだのでした。
 それから、つがいのヒヨドリは交代で卵をあたため始めました。
 秋田、山形で大きな被害を拡げた大雨の時 、親鳥は羽を拡げて必死になって卵を守っていました。
 そして2週間・・・気づけば卵は孵化して小さなヒナが・・・。
 2羽の親鳥は一転して、餌を運んで来ては生まれた小さな命を育てているのです。
 朝起きて、驚かさない様ソッとその様子をうかがうのが、いつの間にか私たち夫婦の日課になっていました。
 鳥たちは、必死になって命を生み、そして守り育てていたのでした。
 人の命が踏みにじられ、命を語る言葉が虚飾の色に彩られている今、我が家の庭で展開されている命を巡る鳥たちの姿は私の胸に大きな感動となって伝わって来たのでした。
 そんな鳥たちに励まされて、今日は岐阜に足を運んでいました。
 文化としての映画を通して命の尊さを伝えるべく・・・。
 中村哲さんがその一生をかけて伝えようとした思いを拡げるために・・・。
       命・・・_a0335202_18514697.jpg
小さな巣には幼い命が
 


# by cinema-tohoku | 2024-08-09 18:52 | 映画 | Comments(0)
 初夏の風にのって嬉しい便りが届けられました。
 全国、多くの方々の手をつないで展開して来た映画「荒野に希望の灯をともす」の総観客数が遂に10万人を達成した・・・とのお知らせでした。
 この映画の上映がスタートを切ったのは、2022年7月東京の映画館「ポレポレ東中野」からのことでした。
 宣伝費も充分に用意出来ず、不安なスタートでしたが、ご覧になった方々の感動は口から口へと伝えられ、そのお声は全国74の映画館での公開となって結実し、その観客数は4万人を数えました。
 全国上映で1万人がヒットの条件と言われる日本の記録映画の世界で、この数字は驚異的なものでありました。
 ご覧になった方々の感動のお声が、製作元の日本電波ニュース社に届けられて来ました。“感動した!よく作ってくれた!” こんなお声に添えて多くの方々から更なる上映を望むお声が寄せられたのでした。
 日本電波ニュース社は、そんなお声にお応えして、映画館上映に続く、第二次の多様な上映実現を願って私たちJSNに配給のご依頼が持ち込まれて来ました。
 お取り扱いすべき意義ある作品と思い配給をお引き受けしてから1年半が経過していました。
 この間、この上映は全国多くのそして多様な方々の手によって上映運動が取り組まれ、全国上映開始からトータルした上映ヶ所は300ヶ所、総観客数はまるで夢のような10万人を達成するまでに育ったのでした。
 この驚異的な上映展開の要因に目をやった時見えて来たのは、混迷する現代社会に、すがるような思いで中村哲さんが残したメッセージを伝えようとする人々の熱い願いでした。
 昨年末から吹き出した日本の政治を巡る一連の出来事は、国民の中に大きな政治不信を拡げました。
 又、世界に耳を傾けるなら、戦火に焼かれた子どもたちの悲しい声が伝わって来ています。
 こんな閉塞感でいっぱいになってしまった現代社会・・・この作品の大成功は、この映画がまさに今<時代が求める映画>であった証なのかも知れません。
 更に、この10万人観客が、単に商業的上映で積み上げたものではなく、人の幸せを願う住民の方々が自らの意思で立ち上がり、自主的な<上映運動>としてつくり上げて来たものであったことに気付いた時、10万人は時代の中に大きな光を放っているのではないかとも思えるのです。
 それでもここはゴールではありません。
 人の幸せを願う私たちの歩みは、更にこの先に道を拓いて行かなければならないのだと思うのです。
 中村哲さんが残してくれた言葉の一つ一つを頼りに・・・。
 この先に更なる大きな高みを目指して・・・私たちの道は続いているのです。
 これからも変らぬご支援をいただければ幸いです。
映画「荒野に希望の灯をともす」全国観客10万人を達成しました_a0335202_16350594.jpg


# by cinema-tohoku | 2024-07-08 16:36 | 映画 | Comments(0)
 空いた時間の全てを充てて、山形県内を車で駆け回っていました。
 認知症をテーマに、<共生社会>実現への願いを語る「オレンジ.ランプ」が、山形県では他県に例を見ない大きな上映運動となって、その感動をつないでいました。
 山形では、県内各市町村が、この上映運動の優位性に気付き、行政のお呼びかけによる上映実行委員会が各地に立ち上がり、素晴らしい勢いでの上映が県内に拡がっていました。
 トップを切った河北町では700名、続いた酒田市では1400名、人口7000人の大江町でも450名・・・上映の輪は、認知症の向こうに希望の灯をともしながら県内に拡がっていました。
 この対応で、再三にわたって県境の峠を越えて山形を訪れていました。
 ここに降って湧いたように、中村哲さんの足跡を描いた映画「荒野に希望の灯をともす」の山形県上映運動がスタートを切ることになったのでした。
 まさに時代が求めた映画なのかも知れません。
 この上映の輪は、たちまちのうちに多くの方々のご賛同となって、その上映は短期間に県内20市町(山形県全市町村35)にまで拡がることになったのでした。
 大変です……。
 “スローシネマ上映運動”は、ていねいな手だてが求められるのです。
 この上映対応で、山形県内巡りが連日のように続いていました。
 年を重ね、長時間や夜間におよぶ車の運転は、心身ともに疲労を蓄積して、家に帰り着けばまさに“ヨレヨレ…”。
 時々は運転中に眠気に誘われることも。
 先日は、朝早く仙台を発って庄内町(日本海まであとわずかの地にある町)での「オレンジ・ランプ」上映の一回目だけ立ち会って、その後「荒野に希望の灯をともす」を携えて小国町、川西町の訪問でした。
 携帯のナビで庄内町から小国町の検索をしたところ、日本海沿岸を通って新潟県に入り、村上市から東に入るコースが選択されました。
 おだやかな春の光がきらめく日本海を車窓にのぞみながら、この日一日の走行距離は600㎞、夕刻やっと仙台にたどり着いたのでした。
 それでもあの苦しかったコロナの時代を振り返るなら有難きこと…。
 こんな思いを胸に刻みながら山形路を駆け巡る私でした。
       出羽路巡り_a0335202_10004320.jpg
日本海の沖には佐渡も望めました

# by cinema-tohoku | 2024-06-17 10:01 | 映画 | Comments(0)
 飛行機と高速バスを乗り継いで北の大地帯広を訪れました。
 久しぶりに足を運んだ北海道でしたが、暖冬の影響か道路の上には雪はなく、北の地にも春の足音が近づいていることを語っていました。
 「荒野に希望の灯をともす」が素晴らしい勢いで上映の輪を全国に拡げていました。
 しかしながらその上映地に目をやるなら、上映の地域差がどうしても目についていました。
 東北や長野、東京、長崎等、上映が大きく拡がっている地域の反面、残念ながらごく僅かの上映に止まっている地域もございました。
 この差は明らかでした。
 私たちがその地を訪れて、上映の働きかけを積極的に行った地域と、足を運ぶことが出来なかった地域の差異でした。
 その上映があまり拡がっていない地の一つが北海道でした。
 足を運んで、上映の開拓をしなければ・・・と思いながらもわが身ひとつの悲しさ・・・日々の仕事に追われてそのままになってしまっていたのでした。
 そんな折、<帯広九条の会>の方からご連絡がございました。
 帯広九条の会創立20周年の記念企画として市民に向けてこの映画の上映を計画してみたい・・・と。
 意を決して、エイ・ヤ!とばかり、帯広におうかがいしようと決めて、この度の北海道訪問となったのでした。
 夜、帯広名物<豚丼>をつまみながらのご相談は順調に進み、終了時には11月17日1,000名目標の上映として、北海道の地に<命と平和>を語る旗を掲げていただくことになったのでした。
 また老体にムチ打って・・・北の大地への行脚はこれからスタートを切りそうです。
        帯 広_a0335202_12294189.jpg
帯広駅



# by cinema-tohoku | 2024-04-05 12:30 | 映画 | Comments(0)
 以前のブログでも触れました、長野県<三市連鎖上映>が見事な大成功をおさめて、最後の実行委員会が松本市で開かれました。
 この場には、茅野市、松本市、塩尻市三市の実行委員会から12名の方々がご参加、この上映を大成功に導く大きな役割を果たしてくれた信濃毎日新聞社のご担当の方も加わって、にぎやかな楽しい最後の実行委員会となりました。
 この企画を立ち上げた時、私が頭の中に描いた観客の目標は三市トータルで1,500名でした。
 しかしながらこの私のイメージは、見事なまでに予想はずれとなったのでした。
 当初上映運動が始まった時、前売り券の販売数は茅野市を除くなら、いささかの苦戦を強いられていました。
 でも・・・信毎に告知広告が掲載されるや・・・各地の実行委員会の方々のお声がはずみ始めたのでした。
 “たくさんのお問い合わせのお電話が入って、プレイガイドも売れ始めた・・・”と。
 信毎の広告はその後も回を重ねて、上映が近づいて来た時には、各地の実行委員会の方々の顔色が今度は青くなって来たのでした。
 “プレイガイドの売れ枚数が急速に拡大して、このままでは観客を収容出来なくなる・・・”と。
 急遽対策を練って、茅野市は上映回数を当初の3回から5回に増やし、松本市と塩尻市は上映予定会場の他に第2会場を設定し、その対応にあたりました。
 そして迎えた上映当日・・・いくつかの事前の対策はしたものの、おいでいただいた観客の数はそれをも上回り、せっかくおいでいただいたにもかかわらずご入場出来ずに、次回にお回りいただいて、何とか3市の上映を無事に終えることが出来たのでした。
 最終の観客数は3市トータルで4,000名を数えるまでに膨らんだのでした。
 熱い会場となりました。
 人の幸せと正義を求める方々の願いが会場に響き、主催者と観客の方々の思いが一つになったこの上映会の反響は、多くの県民のお声となってしばらくは止むことはありませんでした。
 現代社会に目をやるなら、極度にまで高まった<政治不信>に加えて、1月1日突然北陸を襲った地震からの復興も未だ明らかにならず、国の未来に漠たる不安の拡がる今、この上映会に示された民意は私たちの歩む道の先に、確実な<希望の灯>をともしてくれたのかも知れません。
 4,000名の観客の内訳が明らかになりました。
 プレイガイドで売れた前売券の数と、当日券でご覧になった数の合計は、3市それぞれで600~700枚。
 そして、実行委員会の方々による手売りの前売り券がこれもそれぞれ600~700枚。
 地域の上映運動と、報道媒体の力が一つに合わさったこの<三市連鎖上映>の経験は私にこの作品の持っている更なる可能性を雄弁に語ってくれたのでした。
 カバンの中に映画の資料をつめ込んで・・・。
 全国への行脚の日々はこれから先に続いていくようです。
<「荒野に希望の灯をともす」三市連鎖上映>最後の実行委員会_a0335202_10071589.jpg
会議終了後の昼食会には話の花が満開に



# by cinema-tohoku | 2024-03-18 10:10 | 映画 | Comments(0)