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 新しい年が巡って来ました。新年早々から、石川県を襲った地震…。今年の先行きに不安を感じさせる年明けとなりました。被災された方々のご無事と、一日も早い復興を心からお祈り申し上げます。
 振り返ってみれば昨年は長く暗かったトンネルから抜け出して、やっとその先の光を見た思いの一年でした。
 「荒野に希望の灯をともす」は、私たちの暗かった道に希望の灯をともしてくれましたし、引き続いた「オレンジ・ランプ」は、その上映の輪を本年に向けて大きく拓いています。
 そして・・・私たちの配給のその次を担う作品が、昨年12月20日現像所で産声を上げました。
 思いを込めて願うなら、凶事の連鎖のその先に、慶事の連続が連なっている・・・そんな思いにもさせられたこの数年の歩みでした。
 コロナの3年間は、私にも3つの歳を重ねることを強いました。
 それでも、もうしばらくの現場での活動を強く心に誓った正月でありました。

 昨年から年賀状のごあいさつを廃止していました。
 毎年繰り返す年末の膨大な労力と出費にいささか辟易たる思いにさせられていたからでありました。
 そして本年も年賀状は無し・・、何ともおだやかな年末でした。
 これまで惰性で続けて来たいくつかのことを見直して見ることも必要なのかも知れません。
 昨年末から次から次へと明らかになった、現政権の腐敗の数々には、絶望的な思いにもさせられていました。
 それでも選挙の度に、国民は今の政治を選択し続けて来ました。
 まるで惰性の様に・・・。
 そしてその結果、その内部腐敗は止まることを知らないまでのものになっていたのだと思うのです。
 ここで立ち止まってもう一度見つめ直す必要があるのではないでしょうか。
 まるで惰性の様に続けて来た今の政治の選択についても・・・。
 “惰性に陥ることなく、常に新鮮な思いで課題に立ち向かう・・。”そんな思いも胸に刻みながら、新たな一年に向って参りたいと思っております。
 皆様方・・・本年も変らぬご指導とご援助をよろしくお願い申し上げます。
     明けましておめでとうございます_a0335202_10245052.jpg


# by cinema-tohoku | 2024-01-01 10:00 | 映画 | Comments(0)
 前回のブログで、認知症をテーマに製作された映画「オレンジ・ランプ」について触れました。
 今、この作品の上映の輪が山形県で大きく拡がろうとしています。
 私たちの県内上映運動の働きかけに最初のご賛同の手を上げて下さったのは、「認知症の人と家族の会 山形県支部」の方々でした。
 6月30日から始まった全国劇場公開の上映館は、山形県内では山形市の1館のみ・・・残念な思いでいたところのお声がけに、家族の会の方々は大きな喜びでご賛同して下さいました。
 続いて、上映運動へのご参加を決めて下さったのは、TBS系列のテレビユー山形(TUY)でした。
 TUYとは、これまでも何本かの県内上映をご一緒に展開して参りました。
 全国の中でも高齢者人口の高い山形県・・・認知症対策は避けて通ることの出来ない喫緊の課題・・・この県内上映を通して健やかな県土の未来づくりに貢献したい・・・そんな熱い思いで、TUYも参加を決めて下さいました。
 家族の会とTUY、そしてシネマとうほくで<山形県上映をひろめる会>を立ち上げ県内各市町村への上映のお呼びかけを始めました。
 6月に制定された「認知症基本法」もあったので、各市町村へのお呼びかけの窓口として行政に的を定めて、TUYと私での市町村行脚が始まりました。
 それぞれの市や町や村での首長さんやご担当課長さんとのご面会は進み、全て回り終えた結果は予想を超える大きな可能性を語るものになりました。
 行く先々で、各市町村の方々は上映への熱いご賛同を語って下さり、ことによると<山形県全市町村上映>が実現するかもしれない・・・そんな素晴らしい反響となったのでした。
 そして、そんな中で県内トップ上映が行われたのが、河北町でした。
 河北町の町づくり団体、「ご・ざ~れ広場」はとてもお元気な高齢者の団体、これまでも年一回町民に向けた映画上映を行って来ました。
 コロナで3年間上映会が出来ずに残念な思いでいましたが、やっとコロナも一段落、是非上映会をとのご要請で実現した久し振りの上映会となりました。
 12月9日、県内トップとなった上映会には650人の町民の方々が足を運んで下さり、河北町は全県上映の見事なトップバッターの役割を果たして下さいました。
 人と人とが心をつなげ、互いに支え合う地域社会を願って・・・山形県はこんな願いの実現に大きな一歩を踏み出したのかも知れません。
     <山形県…共生社会への願い>_a0335202_13421391.jpg
県内トップの河北町には多くの町民がおいでになりました



# by cinema-tohoku | 2023-12-13 13:44 | 映画 | Comments(0)
 「オレンジ・ランプ」、認知症をテーマにした作品が今大きく上映を拡げています。
 この作品は事実に基づくドラマで、丹野さんと言う仙台市在住の方をモデルに制作された作品です。
 丹野さんは仙台の自動車販売会社のトップセールスマンでした。
 幸せな結婚もして、子どもも2人授かり、前途洋々たる生活を送っていました。
 そんな丹野さんが39歳の時、奥様のすすめで病院を訪れた時下った診断は若年性アルツハイマー症・・・。
 彼はたちまちのうちに絶望の淵に立たされることになったのでした。
 それでも丹野さんは生来明るく積極的な性格の方でした。
 認知症の方は全国にたくさん居る筈・・・そんな方々をお訪ねして、そのお話を聞いてみようと思い立って、訪れたのが認知症に関って全国的な活動を続けて来た(公財)認知症の人と家族の会宮城県支部でした。
 この会の方々は丹野さんを温かく受け止めて、認知症の本人の方々の集まりにも丹生さんを誘って下さいました。
 そんな方々のお話を聞く中で、丹野さんは認知症を自らの属性として受け止めながら、これまでと変わらぬ社会生活を送ることを決意したのでした。
 ここに至るまでには、奥様始めご家族の、そして彼が勤務する会社の方々のあたたかなご支援があったことは言うまでもありませんでした。
 そんな丹野さんの歩みに触れたプロデューサーYさんは、大きな感動を覚えました。
 認知症が、国の数ある課題の中でも最右翼の課題の一つに数えられる現代社会に、認知症の向こうに希望の灯がともる・・・Yさんは映画の製作を決意したのでした。
 そしてつくり上げた作品を携えてYさんは私のもとを訪ねて下さいました。
 “この映画の公開に力を貸して欲しい。”
 作品を拝見して大きな感動を覚えました。そしてモデルの丹野さんは仙台市民・・・。
 配給をお引き受けして、作品を取り巻く状況を調べ始めた時行き当たったのは、本年6月に制定された<認知症基本法>でした。
 内容を拝見して、“まさにこの作品の出番!”を実感しました。
 この法律は、認知症の方々を地域で切り捨てず共に生きることの出来る<共生社会>を熱く語っていました。
 いくつかのご縁がつながって、私のカバンの中には認知症を乗り越えた先の<共生社会>への願いがいっぱいに詰まっています。
       <オレンジ・ランプ>_a0335202_11351819.jpg
@2022「オレンジ・ランプ」製作委員会

# by cinema-tohoku | 2023-11-30 11:35 | 映画 | Comments(0)
 酷暑の連続にあえいでいたあの日もどこへやら、季節は確実に巡っていました。
 そして今日は立冬、暦の上では冬を迎えたこの日に、東北自動車道をたどって、弘前から八戸への出張に発ちました。
 仙台を出発して2時間ほど走って盛岡を過ぎた辺りに、これまでの単調な風景の東北道とは打って変わった私の好きなコースが姿を現します。
 <ナナカマドロード>と名付けられた50㎞ほどのコースです。
 秋になれば、路側に植えられたナナカマドの実が赤く色づいて季節の移り変わりを告げ、車窓の左側に突然現れる岩手山の圧倒的な存在感は、不思議に私の心を穏やかにさせてくれるのです。
 そして、前方に拡がる八幡平のたおやかな山並はもはや茶一色にその色を変えて私を迎えてくれました。
 掲げられた温度表示は3度を示し、ここ北の大地は晩秋から冬へと季節を進めていました。
 一昨日、甲府で開催された「荒野に希望の灯をともす」上映会には800名もの方々が足を運んで下さり、会場を包んだ観客の方々の熱気は、人と人とが支え合う社会の実現を熱く語っていました。
 認知症をテーマに豊かな<共生社会>を願う「オレンジ・ランプ」は、一歩一歩その上映の輪を全国へと拡げ始めました。
 季節の移り変わりを前にして、私もいつまでも立ち止まらず、前へと歩みをおこさなければ・・・。
 そんな思いに身をゆだねながら、いつの間にか車窓には津軽の象徴たる岩木山の秀麗な姿が現れていました。
 間もなく白一色に染まる北の地の、僅かな輝きの時を駆け巡った二日間の旅でした。
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ナナカマドロード

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満員の甲府「荒野」会場

 酷暑の夏も去り、足早にやって来た秋に色づいた山々を車窓にのぞみながら、名古屋から中央線をたどって松本へやって来ました。
 全国上映の輪を大きく拡げた「荒野に希望の灯をともす」の上映のお声はここ信州にも届き始めた様です。
 最初にお声が上がったのは松本市の方からでした。
 「あの日のオルガン」上映でお世話になったYさんは長年にわたってチェルノブイリの支援活動を続けて来られた方でした。
 意志の強さを思わせる瞳が印象的な聡明な女性・・・幸い「あの日のオルガン」に熱く心を寄せて下さりコロナ禍の困難な中でこの上映を実現して下さいました。
 彼女は中村哲さんともご親交があり、以前から松本での上映実現のお声を上げて下さっていました。
 そんなYさんのお声がつながったのは松本の隣町塩尻市でした。
 塩尻子ども劇場は今年で何と40年を数える、子どもたちの未来に向けた息の長い運動を展開してきた会でした。
 このリーダーはYさんとFさん・・・とてもお元気な、そして子どもたちに向けたやさしいお心を感じさせる方々でした。
 ここも初めてのお付き合いは「あの日のオルガン」、松本とご一緒にコロナ禍の中にもかかわらず丁寧な運動で上映を実現して下さった方々でした。
 「荒野に希望の灯をともす」上映実現に向けた松本のYさんの思いが塩尻のお二人に伝わるや、ここでも熱く上映の実現を決意して下さったのでした。
 そして、それなら更に他の地域にも声がけをしよう・・・こんなYさんFさんのお声は隣町茅野市に届き、ここでも即座に上映の決意が上げられたのでした。
 松本、塩尻、茅野の3箇所に拡がった上映の願いにご賛同の手を重ねて下さったのが、長野県の県紙、「信濃毎日新聞社」でした。
 今年松本で主催した講演会に「荒野に希望の灯をともす」の谷津監督をお呼びしたご縁もあって、三市におよんだ、本作の上映会の意義に熱くご賛同いただき、この上映に<共催>としてのご参加を決意して下さいました。
 そして、本日が3市と「信毎」の皆様が一堂に会してのスタートの会議の日、<映画「荒野に希望の灯をともす」3市連鎖上映会>と名付けられた上映は、中村哲さんがお亡くなりになって4年の節目を記念して、明年1月上映の大成功をめざしてスタートが切られたのでした。
 時代の閉塞感さえ感じさせられる現代社会に、この上映を通して人と人が支え合うこころを伝えようとした心やさしき人たちの願いは大きく響き合って、長野県の南部にその旗を掲げ、そして更に全県にも大きく拡がろうとしているのです。
 「荒野に希望の灯をともす」三市連鎖上映会_a0335202_17454674.jpg

# by cinema-tohoku | 2023-10-25 17:46 | 映画 | Comments(0)