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 「君の笑顔に会いたくて」の撮影が始まっていました。
 撮影現場は製作スタッフのもの…と決め込んで、私は全国の保護観察所回りに精を出しておりましたので、ほとんど現場には足を運んでいませんでしたが、この日は大阪からのお客様があり、お連れして久し振りの現場でした。

 なかなか天候に恵まれず、苦労の連続の撮影だった様でしたが、この日は一転しての晴天

 映画のラストシーンで、刑期を終えた啓太が、担当保護司だった香苗に自らの新たな出発を誓う、・・・このドラマにとって、とても大切なシーンの撮影の日でした。

 シナリオに語られた“2人を祝福する様な見事な満開の桜・・・„そのままに、撮影地となった、川崎町釜房湖畔の桜は、散りはじめの素晴らしい姿を私たちの前に披露してくれました。

 啓太を待っていた香苗の“おかえり„ そして、それに答える啓太の“ただいま„ これだけのシーンでしたが、啓太の一言がなかなかむずかしかった様で、何度も監督のNGが・・・ やっとOKが出た時は、スタッフたちのほっとした思いが、思わず一つにつながった春の一日の撮影現場でした。

 社会に目をやるなら、信じ難い出来事が毎日の様に報じられています。

 それでも、人を信じて、限りない人の未来をも語ろうとするこの作品は、多くの方々に支えられながら、7月末にこの世に生を受けることになるのです・・・。

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桜満開の現場


# by cinema-tohoku | 2017-04-27 17:38 | 映画 | Comments(0)

 ていねいに、そして、時間もかけながら準備が進められていた映画「君の笑顔に会いたくて」宮城県製作上映運動の第一歩が324日全国に向けて踏み出されました。 

 この日は、映画「君の笑顔に会いたくて」製作と上映を支える宮城県民の会の発会総会、そして引き続く製作発表会、更には記念パーティが行われ、東京からご参加いただいた監督、出演者の洞口さん、筧さんを始めとしたこの映画にご賛同の県内の関係者80名が見守る中で、子どもたちの輝く未来を語る県民運動はそのスタートを切ることとなりました。

 振り返ってみれば、宮城県から「地域社会と家族の再生」や「子どもたちの健やかな未来」を願って県民が手を携えた映画製作運動は、今回で4回目を数えることとなったのです。

 その1回目は2004年製作された、長編アニメーション映画「ハードル」の県民運動でした。

“いじめ”をのりこえて未来に向けて育とうとする子どもたちを描いたこの作品の、製作にあたって、宮城県古川市(現大崎市)の市民の方々はその製作の舞台として名乗りをあげて下さいました。

 そして、製作支援県民運動として、<映画「ハードル」をつくる古川・大崎・みやぎの会>をたちあげて下さり、数多くの市民、県民の手を携えた製作運動に支えられ、この作品は古川市から全国に向けて旅立ったのでした。

 2回目の県民運動は2011年完成の「エクレール・お菓子放浪記」製作支援運動でした。

“支えあう人の心のやさしさ”を合言葉に、主要な舞台となった石巻市からあがった製作を願うお声は、たちまちのうちに全県に拡がり、県知事を先頭にした製作支援運動はまさに物心両面でこの映画を支え、20112月作品は完成を迎えました。

 そして全国発信の第一歩として、東京で完成披露試写会を開催したのは翌月310日のことでした。

 試写会は見事に成功をおさめ、いよいよ全国発信と思った何とその翌日、あの大惨禍が撮影地と東北での上映を全て破壊して行ったのでした。

 それでもそれ以降、この作品は被災地支援の象徴とも語られ、全国827ヶ所、45万人の観客の胸に届くことになったのでした。

 そして、3回目は2013年製作の「じんじん」でございました。

 北海道剣渕町と並ぶロケ地に、主演の大地さんの願いで松島が選ばれたのは、その

世界にも誇る美しい景観と、被災地支援に寄せる思いからでした。

 この報を松島町民は大きな喜びで受け止めて下さり、村井知事を先頭にした県民運動で製作を支えて、この作品は完成後全国550ヶ所、26万人のやさしい心をつなぐこととなりました。

 これ程連続して、映画を通した全国発信の県民運動が展開されて来たのは、宮城県以外にはなかったのだと思います。

 まさに、「心やさしき地域社会」と「子どもたちの未来」を願う宮城県民の全国に誇るべき、これは足跡でもありました。

 そして、この度の「君の笑顔に会いたくて」は数えて4回目の県民運動となったのです。

 県内にそして、全国に子どもたちの笑顔が輝く未来を夢見て・・・。

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右から、洞口さん、原作大沼さん、筧さん


# by cinema-tohoku | 2017-03-30 09:44 | 映画 | Comments(0)

 映画「君の笑顔に会いたくて」製作準備に追われていました。

 映画の製作は、その完成にたどり着くまでに、いくつもの段階がありますが、その一つに、ロケーションハンティングの作業があります。

 シナリオが完成しますと、各シーン毎に、撮影場所を決めなければなりません。

 監督の描く情景のイメージを受けて、それぞれのシーンに撮影場所を当てはめていく作業がロケーションハンティング、通称ロケハンと呼ばれる作業です。

 幸い「君の笑顔に会いたくて」では、メインの撮影地となる宮城県名取市、岩沼市の市民の方々がロケハンに乗り出して下さり、いくつかの候補地を挙げて検討に入っていました。

 その中で問題となったのが、この映画のラストシーンで、とても大切なシーンの設定の件でした。

 心ならずも犯罪を犯した少年が刑期を終え、新たな出発を主人公に誓うラストシーンは、この二人を祝福する様に満開の桜の下で‥…となっているのです。

 クランクインが4月半ばに決まりましたが、この頃にはおそらく名取、岩沼周辺の桜は散っている可能性が大、気まぐれな桜の開花に対応できる別途の撮影地が必要となったのでした。

 ここに登場したのが宮城県川崎町でした。

 川崎町は、宮城県の西部、蔵王山麓に拡がる地で、平野部よりは遅い桜となることが予想される地でした。

 又、この川崎町は原作者大沼さんのご出身地でもあり、更に川崎町の町長さんは県内でも屈指の映画好き・・・・これまでもシネマとうほくの作品も町内での上映にお取り上げていただいて来た熱い心をお持ちの方でした。

 早速町長さんをお訪ねして、ご相談したところ、私の願いをご快諾いただき、先日のロケハンには、何と町長さん自らご案内役を買っていただいたのでした。

 半日をかけて町内の桜のスポットをご案内いただき、ロケハン終了後は、おいしおそばまでごちそうになり、ロケハンは無事終了したのでした。

 感動的なシーンとなるだろうこの映画のラストシーンには、川崎町の見事な桜がまさに花を添えてくれるものと思います。

 お楽しみに‥‥。

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川崎町長さんとお蕎麦屋さんで



# by cinema-tohoku | 2017-03-27 16:16 | 映画 | Comments(0)
 一本の映画を企画して、これを無事完成に導くまでには、不測の事態も含め何やかやあるものなのです。
 しかも、この度の「君の笑顔に会いたくて」は、極めて短時間の中に全てが集中してしまい、これに追われて、てんやわんやの毎日です。
 不測の事態とは、急な監督の交替でした。
 当初から監督に予定して、ここまでシナリオ作り等、ご一緒にやって来た初山監督が、お体の事情で急に降板せざるを得なくなったのでした。
 まさに予測もしていなかった事態ではありましたが、シナリオはここまでにほぼ完成となっていましたし、初山さんが後任に指名した植田さんは、当初からこの映画づくりに加わっていたこともあり、何とか乗り越えることが出来たのでしたが、この間空費してしまった時間のロスが今、大きく私たちの前にのしかかって来たのでした。
 まずもってキャスティングの件がありました。
 これは、キャスティングを担当するプロデューサーのまさに獅子奮迅の努力で、幸い手当てが出来ました。
 主役の保護司役には、監督の熱い要請で演技派女優の洞口依子さん、その夫役には筧利夫さん、そして更に石丸謙二郎さん、かとうかず子さん、雛形あきこさん、等々‥…。
 こんな短時間によくも・・・と思う多彩なキャスティングとなりました。
 次に、シナリオに基づくロケ地選定の「ロケハン」の課題がありました。
 これは、ロケ地となる宮城県名取市、岩沼市、川崎町の方々の献身的なご助力で短時間の中に急速に展開し始めました。
 又、出演者のオーディションを東京と仙台で行うこととなり、このお知らせと対応…。ロケ隊受け入れの宿等の手配。
 そして、324日に予定した「製作上映支援宮城県民の会」発会総会と、引き続き行われる「製作発表会」の準備等々・・・。
 こんな全てのことが、416日に予定されたクランクインまでに行わなければならないのです。
 以前、私たちが製作した「エクレール・お菓子放浪記」では数ヶ月かけて準備していたことを、1ヶ月程の中につめ込まなければならない、この度の製作準備は、私に緊張の毎日を強いているのです。
 それでも、私たちが企画した映画が、一歩一歩その形を整え、更にはこの映画づくりに多くの宮城県民の手が添えられ始めて来ていることに、喜びを感じざるを得ないのです。
 まさに目の回るような緊張の日は、4月下旬のクランクアップまでは続きそうです。

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# by cinema-tohoku | 2017-03-10 17:27 | 映画 | Comments(0)

 長編アニメーション映画「ちえりとチェリー」宮城県上映運動が、数々のドラマと感動を紡ぎながら、この度無事に終了を迎え、この上映運動の推進役だった、映画「ちえりとチェリー」宮城県上映推進委員会の閉会総会が開かれ、長かった上映運動に終止符を打ちました。

 振り返って見れば、足かけ3年に及ぶ長い長い運動の足跡でした。

 子どもたちの心の成長と被災地支援の願いを携えて製作側から持ち込まれたこの作品は、見事な完成度と、掲げるテーマ“命の輝き”がきらめいていた素敵な作品でした。

 配給をお引き受けして、先ずは被災地での上映を・・・こんな製作側の願いを背に石巻に足を運んだのは2015年秋のことでした。

 そして、私たちの思いを受け止めて上映を実現して下さったのは、石巻子ども劇場のお母さんたちでした。

 短い準備期間でしたが、市民に向けた丁寧な呼びかけは実を結び、20162月震災から4年の記念上映会となった全国初の上映には、多くの親と子が足を運んで下さいました。

 そしてこの日、この作品は全国で初めて子どもたちと向かい合うこととなったのでしたが、この上映に見せた子どもたちの反響はまさに見事なものでした。

 54分の上映時間の間、会場は水を打った如き静けさに包まれ、多くの子どもたちが涙をぬぐいながらこの作品を受け止めてくれたのでした。

 この反響を受け、宮城県全県にわたる上映運動組織は立ち上げられ、そして5000名にのぼる観客と手を携えた子どもの未来を語る上映運動は、この日閉幕を迎えたのでした。

 昨年から今年にかけて、日本の興行界では一本のアニメが驚異的な大ヒットを続けています。

 「君の名は」、昨年夏公開以来、240億円を越える興収をあげた記録的な作品です。

 それにしてもすごい数字なのです・・・・・公開から半年を数えるというのに いまだ興収ベストテンを譲らず、一体どこまで数字を伸ばすのか・・・。

 それでも へその曲がった私は、いささかの違和感をもってこの大ヒットを受け止めています。

 日本人は、いつの間にこんなにも「ムレタガル」様になってしまったのかと・・・。

 街に行列があれば無批判にそこに並び、そして社会の動向に関っては大勢に組する・・・。

 少なくとも映画は、嗜好品としての文化であるのだと思います。

 人がそれぞれに異なる個性を持っているように、人の好みもそれぞれに異なるものだと思えるのに、昨今、まさに一色に染まろうとしているかの如く思えてならないのです。

 そんな傾向が単に映画の枠に止まらずに、多様性を認めない社会の息苦しさにつながらなければ・・・こんなことを危惧せざるを得ないのです。

 ともあれ、こんな時代の中に「ちえりとチェリー」を涙と共に受け止めた宮城の子どもたちの胸にこの作品がいつまでも息づいて欲しい、そしてこの映画との出会いが、子どもたちの人格形成にいささかでも寄与できれば・・・。

 そんな思いを強く抱かせた上映運動でした。

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閉会総会で善意の寄付金が、あしなが育英会に

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# by cinema-tohoku | 2017-02-21 16:56 | 映画 | Comments(0)