この作品にとって宮城県はまさに生誕の地、原作者の大沼さんは宮城県人、撮影地はオール宮城県、そして現在全国に先駆けて上映展開中の地でもあります。
この作品の製作を企画した時、その運動上の全国への発信地を宮城に置こうと思ったのは当然のことでした。
県民運動実現の思いを携えて原作者大沼さんとご一緒に村井知事とご面会、製作上映運動への全面的なご賛同をいただいてこの映画はスタートを切ったのでした。
そして、映画は撮影から完成、更には宮城県上映へと歩みを進めていたのでした。
こんな折、県のご担当課の方からご連絡がございました。
村井知事が映画をご覧になりたい・・・とのご意向なので、諸般の相談をしたい・・・とのことでした。
私達はこれまでにも、何本かの映画を同じく宮城発信の県民運動として製作してきましたが、公務にご多忙の知事から”観たい〟との声が語られたことはこれまではございませんでした。
今回改めてお声がけがありましたのは、大沼さんが8年にわたって県教育委員をおつとめになられ、知事が大沼さんのこととよく存じ上げておいでだったことだけではなく、今日の子どもたちを取り巻く状況に目をやった時、行政として何らかの手だてをせざるを得ない程、その状況が危機的になっていることが試写会実現の背景としてあった様でした。
上映に先立っての村井知事のごあいさつは、”この映画の上映を通して、宮城の子どもたちが未来に向けて育つためには何が必要なのか学んで欲しい・・・〟 この思いで実現した試写会でございました。
県庁の講堂に映写機を持ち込んでの試写会は、それにしても何とも「異様な」雰囲気の試写会でした。
何せ、160名の観客のほとんどがダークスーツを着た50歳前後の男性たちだったのでしたから・・・。
それでも、ドラマが展開するや、目頭をそっとぬぐうお姿が見られ、上映終了後は満場の拍手で県庁の幹部職員の方々はこの映画を受け止めて下さいました。
こんなていねいな一歩一歩が、この作品を全国に送り出す力となる・・・そんなことを実感して帰路についた新年の一幕でした。
ダークスーツ一色の会場