初夏の風にのって嬉しい便りが届けられました。
全国、多くの方々の手をつないで展開して来た映画「荒野に希望の灯をともす」の総観客数が遂に10万人を達成した・・・とのお知らせでした。
この映画の上映がスタートを切ったのは、2022年7月東京の映画館「ポレポレ東中野」からのことでした。
宣伝費も充分に用意出来ず、不安なスタートでしたが、ご覧になった方々の感動は口から口へと伝えられ、そのお声は全国74の映画館での公開となって結実し、その観客数は4万人を数えました。
全国上映で1万人がヒットの条件と言われる日本の記録映画の世界で、この数字は驚異的なものでありました。
ご覧になった方々の感動のお声が、製作元の日本電波ニュース社に届けられて来ました。“感動した!よく作ってくれた!” こんなお声に添えて多くの方々から更なる上映を望むお声が寄せられたのでした。
日本電波ニュース社は、そんなお声にお応えして、映画館上映に続く、第二次の多様な上映実現を願って私たちJSNに配給のご依頼が持ち込まれて来ました。
お取り扱いすべき意義ある作品と思い配給をお引き受けしてから1年半が経過していました。
この間、この上映は全国多くのそして多様な方々の手によって上映運動が取り組まれ、全国上映開始からトータルした上映ヶ所は300ヶ所、総観客数はまるで夢のような10万人を達成するまでに育ったのでした。
この驚異的な上映展開の要因に目をやった時見えて来たのは、混迷する現代社会に、すがるような思いで中村哲さんが残したメッセージを伝えようとする人々の熱い願いでした。
昨年末から吹き出した日本の政治を巡る一連の出来事は、国民の中に大きな政治不信を拡げました。
又、世界に耳を傾けるなら、戦火に焼かれた子どもたちの悲しい声が伝わって来ています。
こんな閉塞感でいっぱいになってしまった現代社会・・・この作品の大成功は、この映画がまさに今<時代が求める映画>であった証なのかも知れません。
更に、この10万人観客が、単に商業的上映で積み上げたものではなく、人の幸せを願う住民の方々が自らの意思で立ち上がり、自主的な<上映運動>としてつくり上げて来たものであったことに気付いた時、10万人は時代の中に大きな光を放っているのではないかとも思えるのです。
それでもここはゴールではありません。
人の幸せを願う私たちの歩みは、更にこの先に道を拓いて行かなければならないのだと思うのです。
中村哲さんが残してくれた言葉の一つ一つを頼りに・・・。
この先に更なる大きな高みを目指して・・・私たちの道は続いているのです。
これからも変らぬご支援をいただければ幸いです。
by cinema-tohoku
| 2024-07-08 16:36
| 映画
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