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       出羽路巡り

 空いた時間の全てを充てて、山形県内を車で駆け回っていました。
 認知症をテーマに、<共生社会>実現への願いを語る「オレンジ.ランプ」が、山形県では他県に例を見ない大きな上映運動となって、その感動をつないでいました。
 山形では、県内各市町村が、この上映運動の優位性に気付き、行政のお呼びかけによる上映実行委員会が各地に立ち上がり、素晴らしい勢いでの上映が県内に拡がっていました。
 トップを切った河北町では700名、続いた酒田市では1400名、人口7000人の大江町でも450名・・・上映の輪は、認知症の向こうに希望の灯をともしながら県内に拡がっていました。
 この対応で、再三にわたって県境の峠を越えて山形を訪れていました。
 ここに降って湧いたように、中村哲さんの足跡を描いた映画「荒野に希望の灯をともす」の山形県上映運動がスタートを切ることになったのでした。
 まさに時代が求めた映画なのかも知れません。
 この上映の輪は、たちまちのうちに多くの方々のご賛同となって、その上映は短期間に県内20市町(山形県全市町村35)にまで拡がることになったのでした。
 大変です……。
 “スローシネマ上映運動”は、ていねいな手だてが求められるのです。
 この上映対応で、山形県内巡りが連日のように続いていました。
 年を重ね、長時間や夜間におよぶ車の運転は、心身ともに疲労を蓄積して、家に帰り着けばまさに“ヨレヨレ…”。
 時々は運転中に眠気に誘われることも。
 先日は、朝早く仙台を発って庄内町(日本海まであとわずかの地にある町)での「オレンジ・ランプ」上映の一回目だけ立ち会って、その後「荒野に希望の灯をともす」を携えて小国町、川西町の訪問でした。
 携帯のナビで庄内町から小国町の検索をしたところ、日本海沿岸を通って新潟県に入り、村上市から東に入るコースが選択されました。
 おだやかな春の光がきらめく日本海を車窓にのぞみながら、この日一日の走行距離は600㎞、夕刻やっと仙台にたどり着いたのでした。
 それでもあの苦しかったコロナの時代を振り返るなら有難きこと…。
 こんな思いを胸に刻みながら山形路を駆け巡る私でした。
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日本海の沖には佐渡も望めました

by cinema-tohoku | 2024-06-17 10:01 | 映画 | Comments(0)