<オレンジ・ランプ>
「オレンジ・ランプ」、認知症をテーマにした作品が今大きく上映を拡げています。
この作品は事実に基づくドラマで、丹野さんと言う仙台市在住の方をモデルに制作された作品です。
丹野さんは仙台の自動車販売会社のトップセールスマンでした。
幸せな結婚もして、子どもも2人授かり、前途洋々たる生活を送っていました。
そんな丹野さんが39歳の時、奥様のすすめで病院を訪れた時下った診断は若年性アルツハイマー症・・・。
彼はたちまちのうちに絶望の淵に立たされることになったのでした。
それでも丹野さんは生来明るく積極的な性格の方でした。
認知症の方は全国にたくさん居る筈・・・そんな方々をお訪ねして、そのお話を聞いてみようと思い立って、訪れたのが認知症に関って全国的な活動を続けて来た(公財)認知症の人と家族の会宮城県支部でした。
この会の方々は丹野さんを温かく受け止めて、認知症の本人の方々の集まりにも丹生さんを誘って下さいました。
そんな方々のお話を聞く中で、丹野さんは認知症を自らの属性として受け止めながら、これまでと変わらぬ社会生活を送ることを決意したのでした。
ここに至るまでには、奥様始めご家族の、そして彼が勤務する会社の方々のあたたかなご支援があったことは言うまでもありませんでした。
そんな丹野さんの歩みに触れたプロデューサーYさんは、大きな感動を覚えました。
認知症が、国の数ある課題の中でも最右翼の課題の一つに数えられる現代社会に、認知症の向こうに希望の灯がともる・・・Yさんは映画の製作を決意したのでした。
そしてつくり上げた作品を携えてYさんは私のもとを訪ねて下さいました。
“この映画の公開に力を貸して欲しい。”
作品を拝見して大きな感動を覚えました。そしてモデルの丹野さんは仙台市民・・・。
配給をお引き受けして、作品を取り巻く状況を調べ始めた時行き当たったのは、本年6月に制定された<認知症基本法>でした。
内容を拝見して、“まさにこの作品の出番!”を実感しました。
この法律は、認知症の方々を地域で切り捨てず共に生きることの出来る<共生社会>を熱く語っていました。
いくつかのご縁がつながって、私のカバンの中には認知症を乗り越えた先の<共生社会>への願いがいっぱいに詰まっています。
by cinema-tohoku
| 2023-11-30 11:35
| 映画
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