人気ブログランキング | 話題のタグを見る

     荒野に希望の灯がともりました

 現代社会に目をやるなら、思わずため息が出る思いにさせられていました。
 そんな時、未来に向けた一筋の光の様な素晴らしい上映会に巡り合いました。
 中村哲さんの足跡を描いた「荒野に希望の灯をともす」の上映会を実現して、混迷する現代社会に一石を投じるべく仙台に上映実行委員会が発足したのは、まだ寒さの残る2月のことでした。
 県立高校の退職教師Dさんの熱い呼びかけに応えてこの上映運動に参加して下さったのは、上映に賛同した多彩な20名の有志の方々でした。
 その日から、この作品が語る<未来への希望>は一歩一歩、牛の歩みの如き速度ではありましたが、確実にその道を拓きながら仙台市民の胸に伝わっていったのでした。
 そして迎えた上映には、1400名にのぼる市民の方々が足を運んで下さり、シネマとうほくにとってはコロナ禍以降では初の1000名超えの上映会となったのでした。
 トータルで11回にのぼった上映の冒頭では、それぞれの回毎に実行委員が交替で心を込めたご挨拶・・・、回によってはお客様が入り切れず次回に回ってもらうための頭を下げながらの必死のご案内・・・、まさに手づくりの上映運動は、おいでいただいた方々の胸にもさわやかな感動となって伝わった様でした。
 観客席に目をやるなら、この種の上映会ではなかなかお顔を見せることのなかった若者たちや、子ども連れの家族の姿も目立ち、上映終了後会場に響いた満場の拍手と、感動に頬を染めながら会場を後にする方々の熱いお声の数々に、実行委員一同“やって良かった!”、そんな思いを胸に深く刻んだ上映会となりました。
 “政治はあなたを見捨てます”と翻訳するべき<自己責任論>がまことしやかに語られ、貧困と格差の拡大は更に大きな傷となって社会に横たわっています。
 沢山の 貴い犠牲の上に決められた筈の「脱原発」はあっさりと捨てられ、「敵基地攻撃」のための大軍拡…。
 そのあまりの絶望的な状況に心が塞ぐ思いでしたが、この仙台での上映会は私の胸に未来に向けて希望の灯をともしてくれたのかも知れません。
 まだ、あきらめるには早すぎると・・・。
     荒野に希望の灯がともりました_a0335202_09385689.jpg
満席の上映会


by cinema-tohoku | 2023-06-22 10:00 | 映画 | Comments(0)