年もおしつまって来ましたが、コロナ禍で困難を極めていた「あの日のオルガン」の上映に、やっと一筋の光が見えて来た様な上映会が2件相次ぎました。
一つは東京葛飾区での上映会でした。
以前のブログでも触れましたがコロナ禍以降、全国でこの映画の上映は途切れずに続いていたのでしたが、その全ての上映会は、行政や団体の予算を使って行われた無料の上映会でした。
本格的な上映再開をはかる目安として、地域の中に上映実行委員会をつくって、前売券を売って行う<上映運動>としての上映が待ち望まれていました。
この第一号上映会となったのが東京葛飾区上映会でした。
地域の保育団体の方々を中心に上映実行委員会がつくられ、迎えた上映会には524人の区民の方々が足を運んで下さり、コロナ禍以降で初となった <上映運動>としての上映は見事な成功をおさめることとなりました。
ご覧の方々からは交々に平和の尊さが語られ、実行委員の皆様のご苦労がむくわれた上映会となりました。
もう一つの上映会は、この映画の全国への発信地となった蓮田市での上映会でした。
蓮田では製作段階からこの企画へのご支援の輪が市民の中に拡がり、<製作を支える市民の会>を中心とした製作支援運動は賛同団体による上映実行委員会の発足となって、迎えた2019年7月蓮田市上映会は1万人の観客の感動の輪となったのでした。(蓮田市人口5万人)
それ以降、この上映運動は市が引き継ぎ、平和事業としての上映会がなんと毎年行われ(一回はコロナ禍で中止)、今年の12月にも通算3回目となる上映会が計画され、私に上映後のお話のご依頼がありました。
訪れた蓮田、私にとっては久しぶりの訪問でした。
午前の時間を利用して、疎開保育園の場となった妙楽寺を訪れたのは、1万人を集めた上映会終了後、この益金を使って妙楽寺の入り口に疎開保育園の歴史を伝える案内板と、記念の碑が建立されたとのこと・・・これを拝見したいと思ったからでした。
その2つの記念碑は、子どもたちのたくさんの笑いと涙を刻んだ地にいつまでも続く平和を願って冬の大地にしっかりと根を張っていました。
社会に目をやるなら、日本の軍事費を大幅に拡大する方針が、国民の信を問うこともなく進められようとしている今、”子どもの命と平和„を語るこの映画の本格的な再開を予感させたこの2つの上映会は、新しい年を迎えようとする私に大きな励ましとなって伝わって来たのでした。
軍事大国への道ではなく、子どもたちの笑いがはじけ、子どもたちがその未来に大きな夢を描ける国を願って・・・。
妙楽寺に建てられた案内板と記念碑

上映会場となった亀有駅前には「両さん」が