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   映画「荒野に希望の灯をともす」

 12月4日は、アフガニスタンを中心に、献身的な医療活動を続けて来た中村哲さんが非業の死を遂げてから3年目の節目の日でした。
 アフガニスタン駐日大使館では、中村さんをしのぶ記念の会が開かれ、その様子が報道されていました。
 この中村哲さんの活動の足跡を追った記録映画「荒野に希望の灯をともす」が、全国の劇場でヒット上映が続けられていました。
 これを製作したのは日本電波ニュース社、あまり一般にはなじみのない会社ですが、私にとっては懐かしい会社でした。
 戦後の激動期をよく生き抜いて・・・そんな思いで久しぶりに目にした会社でした。
 日本電波ニュースは1960年に創立、東西冷戦の時代に東側諸国の海外ニュースを配信して一時代を築きました。
 殊に、ベトナム戦争を巡っての報道では他の追随を許さない報道を配信して当時大ヒットの映画となった長編記録映画「ベトナム」の製作会社でもありました。
 この電波ニュース社が24年間にわたって中村哲さんの活動を撮り続け、これが一本の記録映画となって公開されていたのでした。
 作品を拝見して、大きな感動を覚えました。
 中村哲さんのお名前と活動の概要は耳にしていましたが、90分におよぶこの作品は、中村さんの人に対する思想と、決して武器と武力では実現することの出来ない平和への願いを観客の胸に伝えてくれたのでした。
 現代の日本社会に目をやるならば、国の未来を語るべき政治家のあまりの質の低さに絶望的な思いにさせられていました。
 国会で平気でうそをつく・・・相変わらずの金を巡る疑惑・・・旧統一教会とのみにくい癒着の数々・・・世のため人のために行うべき仕事を、私利私欲のそれに置き換え、果ては長野県では県会議員が自らの妻殺害容疑で逮捕・・・あまりの低劣さに暗澹たる思いにさせられていた私の胸に、この映画は”こんなにも高潔な日本人が生きていた・・・„そんな思いとなって私に伝わって来たのでした。
 久しぶりに電波ニュースの方々とお会いして、映画館以外の配給についてのご相談を始めていました。
 今、もっと多くの方々の胸にこの人をお伝えしたい・・・。
 そんな願いを、お互いの一致点として見つめながら・・・。
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by cinema-tohoku | 2022-12-06 15:54 | 映画 | Comments(0)