一すじの光
コロナ禍から早3年・・・思わずため息が出るような毎日を送っていました。
感染拡大の山また山・・・一旦は収束したかに思えても又新たな山が・・・。
先の見えないこの3年間は、心と体を切らさずに、ただひたすらに耐えるしかすべのない日々でした。
それでも、そんな私の上に一すじの光が降って来たかと思える動きが出始めて来ていました。
今年に入ってから「あの日のオルガン」の上映が、今までにない動きを見せ始めて来たのでした。
本年2月、突然国境を破ってウクライナに侵攻した、ロシアによる侵略行為は、世界中に戦争の悲惨さと平和への願いを伝えることになりました。
そんな動きが、この作品の背を押したのかも知れません。
コロナの感染者数はかつてなかった程の高い数字を示したのでしたが、今年の夏の平和行事の一環としての行政による上映会は中止ともならずに各地に拡がり、そしてこの動きは平和を願うこの映画の自主上映にも火をつけることとなりました。
東京葛飾区での上映を願うお声が私のもとに届けられたのは6月のことでした。
発起人となった葛飾区保育問題協議会を中心に、11月29日上映をめざして実行委員会がつくられ、この対応での私の東京通いが始まっていました。
先日は、先ずもっての試写会が開かれ、感動のお声を連ねて上映実行委員会が結成され、その場で決まった観客目標は何と800名!
かつてコロナ前は当然の様に1000名を目標としていた上映運動を展開していましたが、コロナ以降の困難な3年間は上映会さえ実現出来ず、よしんば実現してもその観客規模はせいぜい100~200名前後に止まるものしかありませんでした。
葛飾上映はまた先のことで、800名はあくまでも「目標」ですが、この規模の観客目標を設定出来たことだけでも、私にとってこれは大きな「光」と思えるものでした。
そしてもう一すじの光が・・・。
東北地区での「梅切らぬバカ」の上映運動に取り組んでいました。
幸い、自閉症協会関係者始め、各地の方々からのご賛同を得ることとなって、この上映は東北地区で一本の映画としてはコロナ禍以降では最も大きな10ヶ所に拡がっていました。
そして、そのトップを切った自主上映会が福島県白河市で行われました。
これを主催した上映実行委員会は、白河市の自閉症協会と手をつなぐ親の会の手による、心やさしき方々が集う会でした。
市民に向けた上映の運動は、まさにスローシネマ上映運動の名の通り一歩ずつ、ゆっくりと浸透し、迎えた上映会は何と500名のご参加で大成功のうちに幕をおろしたのでした。
コロナ第7波が猛威をふるっていた中で、当初目標の300名を大きく上回ったこの上映は、コロナ禍で元気を失いがちな地域の方々に活力を伝え、障害に対する差別も偏見もない地域社会づくりに大きな一歩を刻むことにもなったのでした。
こんな一連の上映の動きは私に、この時代の中でもやれるかも知れない…。
そんな一すじの光となって伝わって来たのでした。
by cinema-tohoku
| 2022-09-01 17:47
| 映画
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