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       <AFF第2弾上映会>

 文化庁のご支援を受けた上映会が3日間にわたって連続して行われました。
 その一つ「あの日のオルガン」は、私たちが熱い思いを込めながら製作、そして全国上映に取り組んでいましたが、その上映がピークに向かおうとしていた時、コロナ禍が全ての上映を中断に追い込んだ、辛い思い出に彩られた作品でした。
 文化庁に私たちの計画を申請するとき、この作品だけは加えたい…そんな願いを込めて実現した「あの日のオルガン」上映会でした。
 上映地となった郡山市、栗原市は、いずれもが昨年春の上映が決まり、実行委員会の方々から市民に向けた働きかけが始まっていた地でした。
 幸い、それぞれの当時の実行委員会の方々は、この支援上映会にご賛同下さり、そのご協力もいただいての上映会となりました。
 結果は、そんな方々のご努力で、いずれも400名を数える市民の方々にご参加いただき、コロナ禍以降では最高の観客の上映会となりました。
 この上映には、平松監督も足を運んで下さり、郡山上映終了後、協力者の方も交えた懇親会は、沢山の方々のご参加と感動のお声に大いに盛り上がり、嬉しいお酒はその盃を重ねて行ったのでした。
 そして3日目は、仙台での「若者たち」上映会でした。
 「若者たち」は、俳優座が製作、1967年に公開されるや当時の若者たちの心をつかみ、上映は若者たちの手による<自主上映会>としてその輪を全国に拡げ、最終的には全国300万人が観賞する驚異的な大ヒットとなった作品でした。
 当時、私は東京での大学生活を送っていました。
 生活の場となったのは、千葉県松戸市にあった学生寮…寮の仲間たちと地域での映画サークルをつくって活動をしていました。
 そんな活動の一環として取り組んだのが、「若者たち」「若者はゆく」(シリーズ2回作)の上映会でした。
この上映に向けた私たちの願いは、幸い多くの市民の胸に届き、会場となった松戸市民会館を満席に埋める1000名超の上映会となりました。
 そして、この上映会はその後の私の歩む道に大きな影響を与える上映会ともなったのでした。
 社会的諸問題に目を向けることもなく育っていた高校生までの私でしたが、時代の中に傷つきながらも必死に人とつながりながら、その未来に向けて精一杯に生きようとする「若者たち」の5人兄弟の姿は、私に大きな感動とショックも与えたのでした。
 殊に三男三郎(山本圭が好演)は早稲田大学の学生の設定、彼の語るセリフの一つ一つは、己の胸に〝君はどう生きる・・・〟そんな言葉となって突き刺さって来たのでした。
 そして、そんな感動に導かれるようにして私は、大学卒業後、自らの進む道を、<人の幸せに寄り添う映画運動の道>へと進めたのでした。
 あの日から50余年・・・久し振りに再会したこの作品を映すスクリーンは、私の涙でにじんでいました。
 コロナ禍でかつてなかった程の困難に追い込まれていた私を、「若者たち」は新たな感動で支え、やさしくその背をそっと前へと押し出してくれた様でした。
       <AFF第2弾上映会>_a0335202_15140343.jpg
栗原市「あの日のオルガン」
       <AFF第2弾上映会>_a0335202_15150040.jpg
「若者たち」


by cinema-tohoku | 2021-12-08 15:16 | 映画 | Comments(0)