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        ドライブインシアター

 すっかりご無沙汰してしまいました。
 コロナ禍で、仕事がなかなか前に進まず、困難の日々を送っていました。
 政府がコロナ感染対策として、全国小中学校の臨時休校を宣言したのが2月…そして、季節は巡って、街はもはや秋の装いに彩られていました。
 いつまでもこのままでは…、思い切って新規事業に取り組んでみようと思いました。
 ドライブインシアター…このはじまりは、アメリカからでした。
 第二次大戦以降のアメリカでドライブインシアターは大ブームとなり、1951年には全米で常設の4151館を数えるまでに拡大しました。
 日本でも1962年に第一号が開館、1990年頃にはピークを迎え、全国に20館程が常設館として営業していました。
 東北では、青森県むつ市と、宮城県名取市に…。
 国道沿いの巨大なスクリーンの<名取ピット>を私も記憶しています。
 しかしながら、ドライブインシアターはその後、夜間のみしか営業出来ない条件や、レンタルビデオの登場で急速に衰退し、日本での常設館はゼロになっていました。
 こんな歴史をたどったドライブインシアターが、常設ではなくイベントとして新たなブームになり始めています。
 きっかけは、新型コロナウイルスの感染拡大でした。
 イベントの自粛が語られ、宣伝の手段を奪われた市町村や団体は、感染対策を取りやすく、新しい映像体験ともなるドライブインシアターに注目し始めたのでした。
 JSN加盟社の中でも、積極的に取り組みを始めたところもあり、私たちもこの事業に参入することにしました。
 ドライブインシアターは、仮設でスクリーンを張り、音声はFM電波を飛ばし、カーラジオで聞く…こんな仕組みです。
 最大の課題は、スクリーンの設置方法。
 何らかの構造物があって、そこにスクリーンを張ることが出来れば、そう手間はかからないのですが、これが叶えられない時は、イントレ(移動式の足場)を組む方法もありますが、経費が大きなものになります。
 そこで検討の俎上に上がったのが、大型の自立式<バルーンスクリーン>でした。
 空気を注入して自立させる、横10メートルのバルーンスクリーンの導入を検討して、先日この見学をするべく高知に行って来ました。
 スクリーンの重量だけでも300kgに登り、設営と撤収には、大変な手間と人手も必要なものでしたが、満天の星空に自立したバルーンスクリーンは、見上げるほどの巨大さでその存在感を語っていました。
 これまで、人の幸せに寄り添うべく、映画の製作と全国配給に心を注いできたシネマとうほくでしたが、こんな経験が新たな仕事の拡がりにつながって、併せてコロナで元気を失いかけている地方の活性化に貢献出来れば…そんな願いも描きながら、一歩前へと踏み出してみます。
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by cinema-tohoku | 2020-10-29 10:31 | JSNの動き | Comments(0)