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        「オルガン」感想文集

 「あの日のオルガン」の上映終了地から、ご覧になった方々の感想文集が相次いで送られて来ました。
 一つは、宮城県石巻市から。
 石巻市では、映画をご覧になった、元高校の先生を中心に昨年3月から上映成功に向けたていねいな準備が進められていました。
 その運動の根幹は、従来あった組織を束ねる型の上映実行委員会ではなく、この作品のテーマ一本に絞って、この上映にご賛同いただける幅広い、個人の結集を目指したことでした。
 この運動は、時間をかけながら市内に拡がり、迎えた上映は1300名の市民にご参加いただき、これまでの全国上映中、何と観客数9位の素晴らしい結果となりました。
 そしてこの上映は、9年を過ぎてもいまだに数々の困難をかかえている被災地の、心の自立にも寄与するものとなったのでした。
 その感想文集の中には・・・〝「あの日のオルガン」を観て3日が経ちました。この3日間、感動が忘れられず、居ても立ってもいられなかったのでお手紙を書くことにしました…〟こんな前置での長文のご感想が・・・そして最後には…〝まだまだ言いたいことはありますが、この映画に触れて戦争の恐ろしさを知りました。私一人だけでも何か活動出来ればいいなと思いました〟(25才女性)
 そしてもう一か所は、疎開先の蓮田市から。
 蓮田市では市長さんを先頭に実行委員会がつくられ、人口の20% 1万人市民にご覧いただきく、まさに全国トップの上映となったのでしたが、そのうち4500人は市内の全小中生でした。
 その子どもたちの感想文集でした。
 目を通して胸が熱くなりました。
 2時間に及ぶこの作品は、小学生低学年の子どもたちの心にも平和への願いを確実に刻んだのでした。

 〝けんちゃんがかわでいしをなげているところでないちゃいました。わけは、かわいそうだなとおもったからです。
 ぼくは、このえいがをみてかなしいなとおもいました。
 それは、せんそうでひとりになっちゃうかもしれないからです。
 せんそうはきらいです。〟(小1男)
 
 〝1944年はすごいせんそうがあっておどろきました。このお話が本当にあったのがこわかったです。1944年にいた人たちは、すごいくろうをしているので、少しかわいそうだなと思って3、4回ないてしまいました。
 お母さんたちにも見せてあげて、せんそうの話をしってもらいたいです。〟(小2女)

 この映画は、戦争を知らない若い世代にも、そして今を生きる幼いこどもたちの胸にもかけがえのないものを確実に語った様です。
 コロナで動けない日々を送っていた私に、この感想は1日も早い仕事再開への願いも熱く語ってくれました。
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by cinema-tohoku | 2020-03-26 12:02 | 映画 | Comments(0)