映画「プリズン・サークル」
「プリズン・サークル」、島根県にある官民協働の刑務所「島根あさひ社会復帰促進センター」を描いたドキュメント作品です。
この映画は、「あの日のオルガン」の製作の折、市民プロデューサーとしてご支援いただいた、東京恵比寿駅前で精神科医をされているYさんからのご紹介でした。
私たちJSNでは、「あの日のオルガン」の一作前に、「君の笑顔に会いたくて」の製作と全国上映を手がけました。
この作品は、宮城県名取市在住の女性保護司をモデルに、保護司に支えられながら犯罪から立ち直る青年の姿を描いた作品でした。
実は、保護司を主人公にした映画は日本映画初のこと、そして事は国の法務に関ることでしたので、企画段階で先ずは法務省保護局の担当課長さんをお訪ねし、法務省のご協力をお願いすることから一歩を踏み出しました。
いくつかの問題もございましたが、幸い法務省はご支援のお立場に立って下さり、そのお力もあって、全国上映は大きな成果となって今も続いていました。
その時の経験からも、いわゆる〝お固い〟法務省が民間の知恵と力を導入して、こんな刑務所をつくり、更にはその中で、受刑者同士の対話を通して、受刑者の心の自立と更生への道を探っている事に驚かされました。
「君の笑顔に会いたくて」全国上映の折にも語られたスローガン〝再犯防止〟・・・この実現にあたっても、この実践が大きな力となっていることも知らされました。
この映画のラストで、刑期を終えて刑務所を出た一人の青年が、力強く広島駅へ更生の一歩を踏み出して行く姿は、昨今の暗い世相に暗澹たる思いでおりました私に、一筋の希望の光ともなって胸に伝わって来ました。