波乗りオフィスへようこそ
映画の舞台は四国の右下、徳島県美波町。
アカウミガメが産卵に訪れる、太平洋に面した美しい町です。
東京に本社を置く、IT企業サイファーテックは、東京での人材確保に行き詰まりを感じていました。
人材確保を巡る競争は激烈なものでもありました。
そんなサイファーテックが着目したのが、美波町だったのでした。
美波町・・・まさに過疎地で、高齢者人口比率も年々高くなる・・・典型的な地方の町でしたが、ここには都会にはない、素晴らしい海が、山が、川がありました。
仕事をしながら、その生活の中で無理なくサーフィンが、山歩きが出来る・・・。
これをねらって打ち出した社員募集のスローガン「半IT,半X」は大きな反響を呼ぶことになりました。
仕事をしながら、「X」には自分らしい生活を組み込んでもらおう、とのねらいでした。
まさに「働き方改革」とも云うべきこの企画は急速に話題となって拡がり、都会では叶えられなかった優秀な人材が集まったのでした。
そしてサイファーテックが美波町に出したサテライトオフィスで、社員たちは、まさに生き生きとしながら、日々の仕事と向かい合うことになったのでした。
この成功事例は人の口から口へと伝えられ、美波町内にはその後も、町内にサテライトオフィスを出店する企業が相次いだのでした。
いつの間にか、町の姿が変わり始めていました。
町内に若者の姿が目立ち始め、そして流入人口が流出人口を上回ったのでした。
町には、こんな人達をねらったカフェやしゃれたラーメン店が出店、大学のサテライトオフィスも生まれて行きました。
古い町がその歴史を生かしながら、それでも新しいものを見事に取り込んで、町が活性化し始めたのでした。
映画「波乗りオフィスへようこそ」は、こんな美波町の未来への挑戦をドラマにしたものです。
都市と地方との格差が語られてから、ずい分長い時間が流れていました。
格差を埋めるための数々の努力が続けられていました。
この作品は、決してあきらめなくて良い、・・・どんな町にもきっと素晴らしい未来があることを感動とともに語ってくれることと思います。