満開の桜
間もなく4月・・・もはや雪の心配はないだろうと、車を走らせた夜の東北自動車道は、途中から何と吹雪・・・あまりの吹き降りに前方は見えなくなり、道路の白線も雪にかくれ、ほうほうのていで仙台に戻って来ました。
そして、その翌日に訪れた東京は桜の満開・・・街は桃色一色に彩られていました。
まるで魔法のトンネルをくぐった様な季節の移り変わりに、改めて南北に連なる日本列島を実感させられました。
色彩の乏しい冬から巡った桜の春・・・何とも華やかなこの風情は、行き交う人々も心を浮き立たせているように思えるのです。
そんな東京の姿に目を向けながら、胸によぎるのは通り過ぎて来た岩手県三陸沿岸の街の姿・・・。
大惨禍から8年、街は新たな姿に変り始めているのですが、そこここにまるで櫛の歯が抜けた様な空地が目立つ「新しい街」なのです。
ここに再び人の生活の営みがよみがえり、街のにぎわいを取り戻すことが出来るのか・・・。
そして、皆が笑顔を交し合う真の春の季節を迎えることが出来るのか・・・。
東京の咲き誇る桜を見つめながら、そんな思いにさせられた春の一日でした。