熊本城
梅の紅色と、菜の花の黄色に彩られた宮崎県を巡って、今日の朝は熊本で迎えました。
「あの日のオルガン」がたどるべき道がやっと見えて来た思いです。
各県毎にていねいに作品に込めた私たちの思いを語って、その輪を全国につなぐ旅は、佳境に入って来た様です。
「エクレール~お菓子放浪記」の折、熊本には何度か訪れていました。
熊本市に泊って、朝時間のある時には、朝の空気を胸に、熊本城を訪れることも楽しみにしていました。
加藤清正ゆかりの、国の重要文化財にも指定された、まさに天下の名城です。
訪れる度に、天を衝くが如き天守閣の姿に、ほれぼれする思いで見入っていたものでした。
そして、あれから7年・・・。
久し振りに訪れた熊本城は見るも無残な姿に変っていました。
2016年に発生した熊本地震は、熊本県と大分県に甚大な被害を与え、この被害は熊本城にも及んでいたのでした。
美しい曲線を描いていた石垣はそこかしこで崩れ、天守閣は巨大な修理のクレーンに囲まれて、城はかつてのりりしい姿を取り戻す必死の努力を重ねていました。
それでも街には活気が戻り、その未来に向けて確実な歩みを踏み出していることに、人の限りない生命力も感じながらの、熊本の朝の散歩でした。
人の生活の営みを取り戻し始めた熊本県に向けて、人の命の尊さを語る「あの日のオルガン」をしっかりとお届けしたい・・・。
今日も、精一杯の努力を我が胸に誓っての出発です。