宮城県名取市閖上(ゆりあげ)
名取市閖上・・・宮城県仙台市の南部、名取川が太平洋に流れ込む河口にひろがる古くからの港町です。
一流のお寿司屋さんでも珍重される赤貝の産地としても全国に有名な町。
そして、あの日以降、この町は悲しみの地としても知られることとなってしまったのでした・・・。
2011年3月11日、巨大な波の壁は平和だったこの港町を襲いました。
最大波高は、9.09mにおよび、964名のかけがえのない命が一瞬のうちに奪い去られて行きました。
そして、その大惨禍の直後、前回ブログに紹介した大沼えりこさんは、この地に立っていたのでした。
とても この世のものとは思えない地獄絵図の中に・・・。
あれから5年をこえる時間が流れたというのに、彼女の瞳に焼きついたあの日の映像は、それを思いおこす度に彼女の胸をしめつけ、言葉にならない思いは彼女を苦しめているのです。
私たちは、映画「君の笑顔の会いたくて」製作の主要な舞台を名取市に設定したいと思いました。
そして、シナリオ完成に向け、原作者、大沼さんも交えて幾度かの話し合いを持ちました。
その中で課題となったのは、東日本大震災の大惨禍に踏み込んでこの作品を語るか・・・とのポイントでした。
この映画の基本テーマは「更生保護の心」を語ろうとするもので、あの日の出来事にあまり深く踏み込むことで、このテーマが弱くなることへの危惧も感じながら私たちの論議は幾度にもおよんだのでした。
しかしながら、あれから5年を経てもいまだに人々の胸に残る深い心の傷、そして閖上の町に立った時の、いまだ復興には程遠い現実を見た時、決してこの現実から目をそむけてはならない・・・・・そんな結論になったのでした。
命を奪った閖上の海と、今もう一度命を誓おうとする閖上の海・・・
このドラマは閖上の海を一つのキイに語られることになりそうです。

JSN総会の後、閖上に行って来ました

最大波高を示す慰霊碑の前で