より良き高齢化社会を・・・
台風の接近が報じられる悪天候の中、東京新宿の安田生命ホールは、より良き高齢化社会を願う多くの方々で満席に埋まっていました。
新宿に拠点を置く京王デパートの方から、映画「僕がジョンと呼ばれるまで」の上映についてのお問い合わせがあったのは、まだ新緑がまぶしい春のことでした。
これにお応えしてお訪ねした私に、京王デパート友の会のご担当者の方はこんな思いを語ってくださいました。
“京王デパート友の会会員さんの平均年齢は66歳となる・・・。
そんな会員の方々の最大の不安の一つが認知症についてのこと・・・。
「僕がジョンと呼ばれるまで」の話を耳にしたが、この作品が会員さんの不安に応
えてくれるものなら上映したい・・・。
一度作品を観せてほしい・・・。
このご要請にお応えしてDVDをお貸しして数日後、是非上映をしたい・・・とのご連絡があり、この日はいよいよその上映の当日でした。
あいにくの天候、お客様の出足も心配されましたが、幸い会場は上映前には満席となり、友の会会員の皆様は、時には笑い、そして時には涙を拭きながらこのドキュメンタリー映画を堪能してくださいました。
それにしてもこの作品、まこと不思議な力をもった作品なのだと思います。
これまで認知症は、決してその症状が回復することはない、と語られてきました。
一旦家族がこの病にかかるなら、それは家庭の、そして地域社会の崩壊にもつながることだと思われてきました。
その認知症が、「読み」「書き」「計算」の「脳トレ」でその症状を改善させることが出来る・・・。
このことは、超高齢化社会を迎えた今日の社会に差し込んだ見事な一条の光でした。
上映終了後、交々に感想を語りながら会場を後にした皆様方の笑顔を拝見して、もっと多くの方々にこの作品をお伝えしなければ・・・・・。
そんな思いを胸に強く刻んだ雨の新宿の一日でした。