「男らしさ」と「潔さ」
「男らしさ」と「潔さ」
東北初の映画「健さん」の試写会を19日、仙台市内で開きました。
日頃、シネマとうほくが、お世話になっている方々にまずはご覧いただき、その素直な感想をお聞きすることから事を始めてみようと思ったからでした。
まさに探る様な思いで開いた試写会、その反響は幸い、熱く大きいものでありました。
上映終了後、交々に語られた映画への熱い思いは、83年、ひたすらに人に対して誠実に、そして愚直に生き抜いた、高倉健さんの一人の男としての生き様が、そのままの形で観る者の胸に伝わった結果でもあったのだと思いました。
そして、以前のブログでも触れました「エクレール・お菓子放浪記」の原作者西村滋先生がその一生をかけて語ろうとした「平和」への思いと、自らの人生を閉じるにあたってご手配された心やさしきお心配り…。
ともすれば社会の劣化が語られる現代社会に、このお二人が残した足跡から私は「男らしさ」と「潔さ」を痛切に感じることになりました。
ひるがえって、今朝のニュースでは、都知事が無言と無表情をつらぬきながら都庁を後にした映像が…。
あれほど饒舌に内容の全くない言い訳を語っていたこの方が、一転して無言で都庁を去ったそのあとに残された言葉は、ニューヨーク・タイムズにも語られた「sekoi」の一言。
何とも暗澹たる思いにさせられたこの間の一連の騒動…。
そして、そんな彼の姿は、その対局にある最近私が触れた二人の男の姿と重ねて、そのお二人の生き方をより一層際立たせてくれたのでした。
西村先生が残した人に寄せる限りない愛と、「平和」へのメッセージを、そして映画「健さん」が語る一人の男の誠実な生き様を…。
伝えてゆきたいのです…。
今だからこそ…。