「つむぐもの」福井県完成披露試写会
里山の木々をやさしい春の雨がぬらし、心さえ不思議に穏やかにさせられる卯月、思いを込めて製作が続けられて来た「つむぐもの」福井県上映の第一歩となる完成披露試写会が、越前市和紙の里で開催され、600席の会場を満席に埋めた福井県民は、越前を舞台に展開される心のドラマを堪能しました。
この試写会には、監督の犬童さん、そして主演の石倉三郎さんも駆けつけてくださり、舞台からの心を込めたご挨拶に満場の観客は熱い拍手で応えて下さいました。
今やほとんどの映画館が「シネコン」にその姿を変え、公開のしくみもすっかり変わってしまいました。
かつての映画の公開は、都市部から地方へ...数ヶ月をかけて一本の映画が国中に拡がって行ったのでしたが、効率性を重視する「シネコン」はこんな時間のかかることは受け入れませんでした。
結果、現在は全国一斉公開、そして数字をあげることの出来ない作品はたちまちのうちに切り捨てられてしまうのです。
まさに大量消費文明を絵に描いた様なしくみが、本来時間もかけて育てるべき「文化」としての映画の世界にまで持ち込まれてしまっているのです。
それでも「つむぐもの」はこの道を選びませんでした。
この映画は、その上映にご賛同いただく多くの方々の手にゆだねながら、時間もかけ、そして丁寧に全国に上映の足跡をつむいで行くことを決意しました。
そして、この日はその歩みの第一歩の記念の日となったのでした。
この映画を支えた数多くの福井県民の“大きく育て!”のお声に送られながら...。