「じんじん」出雲市上映
長い長い時間をかけながら、一歩一歩ていねいに歩みを進めて来ました「じんじん」出雲市上映がやっと本番上映の当日を迎えました。
改めて振り返って見るなら、事の発端は米子市で「じんじん」をご覧になって大感激したMさんが、恐る恐るご連絡をとって来て下さった一昨年前にさかのぼります。
“とても素晴らしい映画…。出来れば出雲市での上映を実現して、一人でも多くの方々にお伝えしたいのだが、映画上映の経験もなければ、何の組織の裏付けもない…、こんな私でも上映が出来ましょうか。”と。
その願いにお応えするべく、初めて出雲市をお訪ねしたのは一昨年の11月のことでした。
それから数えるなら何と15ヶ月にのぼる、まさに「スローシネマ上映運動」の道のりでした。
Mさんの心を込めたお呼びかけに賛同し「観る会」のメンバーに加わって下さった方は14人、絵本の読み聞かせ活動をやっている主婦、元教師、出雲で演劇活動をやっている方…。
そんなお一人お一人のご賛同をていねいにつむぎながらこの日の本番の上映を迎えるまでには、これ位の長い時間にわたる運動の醸成期間が必要だったのかも知れません。
朝方の雨もあがり上映が始まる頃には青空も…、緊張で前日は充分に眠れなかったと語るMさんと14人の仲間たちの心を込めた「じんじん」上映会には、600名にのぼる市民の方々が足を運んで来て下さいました。
ドラマが終盤に差し掛かるや会場にはすすり泣きの声も聞かれ、上映終了後にはお金を払った「お客様」が主催者に深々とお礼をする…そんな素晴らしい上映会となりました。
経験も組織もない、それでもたった一つ“多くの人に伝えたい!”そんな一人の女性の思いが600人の共感となって拡がった…これは見事な「スローシネマ」の典型の上映でありました。
上映終了後、会場そばの中華料理店でささやかな、それでも心のこもった懇親会となりました。
懇親会では、“楽しかった、このままお別れするのが悲しい...” ”映画はお金を払って観るものだと思っていた。自分たちが上映会など出来ないと思っていたが、こんなすごいことをやれたんだ...。” 等、感動に頬を染めたメンバーの声は、いつまでも出雲の冬空に響いていました。