あけましておめでとうございます
ここ東北では穏やかなお正月を迎えました。
新しい年をお迎えになり、皆様方胸の中に新年の決意を語っておいでのことと思いますが、あの大惨禍から5年の節目を迎える今年のお正月は、私にとっても思いの深い年明けとなりました。
5年前、数々の思いを込めて、「エクレールお菓子放浪記」を完成させ、いよいよその全国公開の直前に撮影地を襲った波の壁は、私たちの願いの全てを破壊してゆきました。
この作品に投入した製作資金の回収の道を閉ざされ、全てを破壊された東北の被災地には映画の上映を願うお声はありませんでした。
あの時は誰もが、今日一日の生命をつなぐことに必死だったのでした。
それでも、全国からのお寄せいただいた暖かい手に支えられて私たちは立ち上がり、「エクレールお菓子放浪記」の東北を除く全国公開を大成功に導き、更には生きる道を求めて東京に事務所を出し、まさに必死の思いで未来への道を探って参りました。
今、振り返ってみるならこの間の私たちはまさに“震災の被災者”そのものだったと思いますし、よくもこの4年間命をつないできたものだとも思い起こしています。
それでも4年を過ぎ、5年を迎えようとする時、私たちはもう一度決意をしました。
私たちの原点たる「東北」にもう一度立ち帰って、ここから被災地の新たな未来をつくりあげる大仕事に私たちも参加をしてみようとの決意でした。
被災地が真に復興するため、きっと「文化の力」が必要になるだろうとも思ったのでした。
そして新たな年を私たちは「ちえりとチェリー」を携えて、東北の被災地からの全国発信上映に取り組みます。
「生命の輝き」と被災地の未来を語りながら...。
本年もよろしくお願い申し上げます。
そして今年が皆様方にとっても良き年でございますことを心より願って...。