二本松市・浪江町試写会
3回続きもののブログになりました。
前号でお知らせしていました「「ソ満国境 15歳の夏」の二本松市・浪江町会合同での試写会が二本市駅前の会場で開かれたのは、あの焼けつく様な太陽もすっかりその姿を消し、一転して秋を思わせる冷たい霧雨が降りしきる日のことでした。
この日は、ご多忙のスケジュールを割いてご参加いただいた両首長様をはじめ、50名程の関係住民の方々がお集まりになり、両首長様のごあいさつで試写会は開会となりました。
又この試写には、撮影の時お世話になった御礼と、完成のご報告もかねて、この作品を手がけた松島監督も足を運んで下さり、引き続いてのごあいさつに立っていただきました。
私は、松島監督とは既に何度もお会いしておりましたし、福井ではご一緒に盃を交わしたこともございました。
仕事がら、これまでも何人もの監督と仕事をして参りましたが、松島監督はその中でも際立って誠実な、そして決して声を荒げない、丁寧なかつ冷静なお話をなさる方だと思っていました。
何とその松島監督が、ごあいさつの途中で思いがこみ上げ、胸が熱くなり、言葉につまってしまったのでした。
企画から数えるなら5年におよぶ長い長い製作の旅...その間には数々の絶望もありながら、あの日の大惨禍が結果的には完成のはずみとなったのでした。
「戦争」そして「大惨禍」をも乗り越えて「人の世の幸せ」を語ろうとした長い旅の末に完成した作品を持って被災地を訪れ、必死の思いで日々の生命をつないでいる浪江町民の方々を前にした時、監督の胸には数々の思いが去来したことでしょう。
上映終了後、感動に頬を染めながら交々に熱い感動を語る被災地の住民の方々のお声に、やっと笑みのこぼれた松島監督でした。
あの大惨禍から間もなく5年...あきらめずに語り続けなければ...そんな思いをずっしりと胸の底に蓄えた...そんな私にとっても大切な一日でありました。