JSN第2回総会
協同組合 ジャパン・スローシネマ・ネットワーク(略称JSN)は昨年9月結成されました。
観客に寄り添った日本映画の未来を、そして映画の上映を通した地域コミュニケーションの再生を願って船出をしたJSNでしたが、この一年足らずの間に、その願いは映画の作り手の方々の願いにもつながった様でした。
年が明けてから間もなく、多くの映画製作者や監督から全国配給のご依頼が相次ぐ様になって来ました。
いつまでも続く平和を願った作品、崩壊が語られる様になってしまった家族の再生を語ろうとする作品、そして高らかに人権を謳い上げる作品…。
まさに多様な作品が、JSNの手を通して多くの観客のもとに届くことを願って、私たちのもとに持ち込まれて来たのでした。
配給業務の生命は優れた作品を確保すること、私たちにとってこの動きは嬉しいことではありましたが、JSNの配給の展開はまさに”手作り”、一気に多くの作品を手がけることは到底不可能であり、心を込めたご依頼があっても、全体を見据えたスケジュールも含め、残念ながらお断りせざるを得ない作品もございました。
こんな現状を前に、時期的にはいささか早かったのですが前倒しで総会を開き、こんなご期待に応えることの出来るJSNを作り上げるため開かれた総会でした。
この間、新たに発足し、正式にJSNに加盟した「シネマソラ」の歓迎の意も兼ねてあえて開催地は、その所在地の京都に設定した総会には、どうしても参加が叶わなかった2社を欠きながら加盟11社から13名がご参加、日本映画と地域社会の未来に向けた熱い議論が交わされたのでした。
殊に、2015年度のスタートを切る配給作品「ソ満国境15歳の夏」を巡っては、既に上映に向けた動きを始めた各社からその報告がされ、戦後70年を記念し、平和への熱い願いを語るこの作品の反響の素晴らしさは、参加者一同全国配給成功に向けた確信ともなった様でした。
又、この作品に関わってその原作をお書きになった田原和夫さんが、ご多忙なお時間を割いてこの総会にご参加して下さり、70年前のあの悲惨だった体験を生々しく私たちに語って下さいました。
誠実に、そして力を込めて語られる田原さんのお言葉の一つ一つは、私たちが今、この作品を通して一人でも多くの方々にお伝えしなければならないものを、確実に私たちの胸に刻みつけて下さった様でした。
数々の夢を、そして必ずやそれを実現する決意を確認し、総会は大成功のうちにその幕を閉じ、引き続いて夜が更けるまで続いた懇親会で、そんな願いは更に熱く一人一人の胸に深く定着したのでした。
新たな年度に旅立つ私たちへのご指導ご援助を心からお願い申し上げます。

