満開の桜
4月…新しき年度が始まり、ここ東京の桜は満開を迎えていました。
ここ数日で急に、JSNとしての全国配給が決まった「ソ満国境-15歳の夏」の準備で東京に来ていました。
今から70年前、日本は悲しい歴史の一コマを刻んでいました。
当時の日本は中国大陸に侵略、中国東北部に傀儡国家としての「満州国」を立ち上げ、国をあげての移民政策を展開していました。
満州に行けば広大な土地が手に入る…、こんな政府の宣伝であおられた多くの日本人が新天地を求めて海を渡ったのでした。
そして、その一環として「満蒙開拓青少年義勇軍」もありました。
当時の10代の少年達をソ満国境に配置し、関東軍の穴を埋めようとした施策でした。
戦後、「世界最悪の児童虐待」とも語られた青少年義勇軍は1945年8月9日、ソ連軍の国境を破った進攻で悲惨な逃避行を強いられることとなったのでした。
その一つ、新京一中130名の少年たちの悲しい歴史を後世に語るべく原作が出版され、その映画化が数年前から準備されていましたが、この度監督の執念でこの願いが実り、急遽公開に向けて準備が始められたのでした。
敗戦から70年…振り仰ぐ見事な桜に、この作品の上映の成功と、そして二度とこんな悲しい歴史が子どもたちの未来に訪れることのないことを誓った春の一日でした。