南木曽町①
心通い合う地域社会と子供たちの健やかな未来を願って展開された「じんじん」の500ヶ所を数えた上映は、それぞれの町毎に素晴らしいドラマを織り成しながら拡がってゆきました。
そんな一つに南木曽町がありました。
長野県木曽谷の愛知県との県境に人口4500名程の南木曽町はあります。
そんな南木曽町の南木曽中学の3年生の担任の先生からお電話がかかってきたのは、春真っ盛りの昨年5月のことでした。
“南木曽町には公立の図書館がない…南木曽中学3年生の総合学習として南木曽町に図書館をつくる活動を行っていた…。その傍ら、この映画を観て感動をした…ついてはその活動の一環として生徒たちに上映を取り組ませてみたい…”とのお話でした。
電話口から伝わる先生の熱い思いに動かされ、木曽をお尋ねし先生とお会いしました。
とても素晴らしい企画だが、中学生の生徒たちの自らの思いが最も優先されると思うので、生徒たちにこの映画を観てもらい、彼ら彼女たちが自らの思いで上映を希望するなら…と、試写会の実現を申し出ました。
試写会当日、南木曽中学3年生23名の生徒たちは喰い入るようにしてスクリーンに観入り、ラストシーンにこぶしで涙を拭う生徒たちの姿は、私の胸を熱くさせたのでした。
後日、先生からお電話がはいりました。
映画について生徒と話し合いをした…正直こんなに熱く受け止めてもらえるとは思ってもいなかった、全員一致で上映を決めた…こんな結果を先生は熱く私に語って下さいました。
こんな生徒たちの願いに町民たちも賛同してくださり、いよいよ活動開始の直前、南木曽町を大惨禍が襲うこととなりました。
・・・「南木曽町②へ続く」