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 仙台市の西の郊外・・・仙台の奥座敷とも言われる秋保温泉から山形県境に寄ったところに清々しい風情の寺院があります。
 慈眼寺・・・ご住職をつとめられる塩沼亮潤氏がひらかれたお寺です。
 塩沼ご住職は、仙台でお生まれになり、僧を志して吉野山金峯山寺で出家、得度。
 その後、1300年の歴史上二人目となる<大峯千日回峰行>を始め、いくつかの困難な修行を積まれ、<大阿闍梨>の称号を得て、ふるさとに慈眼寺を開山された方でした。
 シネマとうほくの上映運動の大切なパートナーのYさんがご縁をつないで下さり、実現した「梅切らぬバカ」の慈眼寺上映会でした。
 上映会場は、ご本尊が見守る本堂・・・100名程の訪れた方々で上映前に本堂はいっぱいになり、塩沼ご住職の心に響く法話に引き続いての上映となりました。
 こんな舞台だてでの上映だったせいか、この映画のこころは深く観客の方々の胸に刻まれた様で、上映後は、涙をこらえながら自閉症の子どもを持つ親としての困難さと映画の感動を語って下さる方や、是非私の地区でも上映をしたい、どうやったら上映会が出来るのか・・・等々のお声が届けられ、私たちが励まされる上映会となりました。
 ロシアによる不当なウクライナ侵攻を契機にして、我が国の防衛費の圧倒的な増額が語られています。
 経済的困窮国日本のどこからかお金が湧いてくる訳ではないとしたなら、この財源は消費税の増税か、福祉教育予算の減額によらなければならないのではないかと危惧します。
 更なる弱者切り捨てさえもが予感させられる今、「梅切らぬバカ」は、社会での多様性の容認と、弱者を見つめる温かな視点を語りながら、更に大切な作品となって来ていることも実感させた慈眼寺上映会でした。
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塩沼ご住職の法話

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境内には、福祉作業所の物品販売のテントも



# by cinema-tohoku | 2022-06-22 09:56 | 映画 | Comments(0)
 「梅切らぬバカ」青森県上映の手当てで、毎週の週末、青森県に通い続けていました。
 この上映運動の中心を担ってくれたのは「青森県自閉症協会」の方々で、自閉症の子どもを持つ親の方々でつくられた団体です。
 障害をもって生まれて来た子どもたちを育てながらのこれまでの足跡・・・さぞかしご苦労があったことと思うのですが、皆様とても明るく積極的で、この上映にも〝障害に対する差別も偏見もない地域社会をつくりたい〟、そんな思いで立ち上がって下さいました。
 こんな方々の一生懸命な思いと向かい合って、どのように展開をしたらこの上映を成功に導くことが出来るのか・・・しばしの検討の結果、行き着いたのは<スローシネマ上映方式>でした。
 この上映の仕組みは、以前全国上映を大成功させた「じんじん」の折に、完全に体系化された上映運動の進め方で、一人の実行委員の回りに試写会も活用しながら多くの<上映賛同者>を拡大して、そんな人と人とのネットワークの力で上映を成功させ様とする仕組みでした。
 大きな組織の裏付けもなく、地域での上映運動の経験もない方々が〝観せたい!〟この思い一つで上映を成功させるのには、この仕組みしかないと思ったのでした。
 しかしながら、この仕組みをご理解いただき、上映運動をその軌道に乗せるためには、ていねいな、そして回を重ねたご相談の積み重ねが要求されるもので、そのための毎週の出張となったのでした。
 青森県に通い始めた頃は、まだ冬の名残の厳しい北風が吹く頃でしたが、そんな北の地にもいつの間にか甘い香りの薄紅色のリンゴの花が咲き、そして今、津軽の地は春真っ盛りの時を迎えていました。
 こんな今、自閉症協会の方々と一緒に種をまいた「梅」の生命は、秋にはきっと、たわわな実を実らせることと思います。
 弘前での会議が終わり、宿をとった青森へ…夕食前の一時を利用して青森港を散歩していた時、夕闇迫る海を渡って私の耳に届いたのは、青森の夏を代表するまつり<ねぶた祭>のお囃子を練習する笛と太鼓の音でした。
 コロナ禍で2年連続中止に追い込まれていた夏の祭りが今年は開催の予定・・・それを待ち望んだ市民が奏でるねぶたばやしの音は、コロナを乗り越えたよろこびを謳う様でもありました。
 そろそろ私も立ち上がらなければ・・・そんな思いを胸に抱いた初夏の津軽路でした。
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津軽の象徴、岩木山

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夕刻の青森港



# by cinema-tohoku | 2022-06-01 10:03 | 映画 | Comments(0)
 「梅切らぬバカ」の青森県上映が久しぶりに動き出し、週末の3日間をかけての青森県出張となりました。
 日曜日の会議は夕方に終わり、その後の空いた時間を利用して、久し振りに三内丸山遺跡を訪れました。
 三内丸山遺跡・・・1992年から始まった発掘調査で、縄文時代の大集落跡が発掘され、そこに現れた姿は、その後の縄文観を変えた程の遺跡でした。
 私が初めてここを訪れたのは、発掘が始まってまだ間もなかった頃のことだったと記憶しています。
 まだ発掘途上の遺跡に異彩を放って私の胸に大きな印象を与えたのは、やはり<大型掘立柱建物跡>に、刻まれた6本の栗の木の柱穴でした。
 その柱穴は直径と深さ共2m、柱の間隔は全て4.2m・・・この巨大な柱の上にどんな建物が建っていたのか、そして、その建物は一体何に使われたものなのか・・・未だに数々の謎を語る縄文の遺跡は、私の胸に大きな印象を残して、その後の東北を起点とした映画運動を願った、シネマとうほく発足にも影響を与えることになったのでした。
 2回目に訪れたのは2000年、シネマとうほく製作第1回作品「アテルイ」の製作運動をスタートさせ、エミシの原点としての縄文のこころを映画づくりの中心にすえなければ・・・そんな思いで、出崎監督を始めメインスタッフと足を運んだ時でした。
 そして、それから随分の時間が流れていました。
 久しぶりに訪れた三内丸山遺跡は、見違えるように整備も進み、遺跡から発掘された遺品を展示する展示館には、それらの品々が順良く展示され、この遺跡の歴史上の意義をトータルで伝えるものとなっていました。
 北海道から持ち込まれた黒光りする見事な黒曜石や、富山から運ばれたヒスイの大玉は、三内丸山遺跡の住民の他地域との広い交流を語っていました。
 又、ていねいに編まれたポシェットや、見事にデザインされた装身具の数々は、その豊かな文化性を語り、掘り出された土偶の数々は、沢山の謎と共に、そのあふれるばかりの精神性の豊かさを私に語ってくれたのでした。
 時間をかけて発掘品に触れながら、いつの間にか私は胸の高鳴りを覚えていました。 
 日本の歴史の中でも例を見ない1万年に及んだ縄文の時代は、自然とやさしく共生しながら、争いのない平和な時代でもあったのでした。
 大量消費文明に頭の先までドップリと浸かり、それでも強欲に更なる消費を求めようとする現代社会に、北の地の遺跡は静かに警鐘を鳴らしているのかも知れません。
 人の幸せとは?・・・
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一部復元された大型掘立柱建物跡

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謎を語る土偶


 4月9日、おだやかな春の陽ざしが降りそそぎ、桜もその花を咲かせ始めた仙台で、<ウクライナ支援上映会>は、その幕を開けました。
 2月24日、突然国境を破ってウクライナに攻め入ったロシア軍の暴挙は、世界中にその悲惨さを伝えることになりました。
 そしてこれに抗して、世界からそしてロシアでも、戦争に反対し、平和を願う運動がおこされたのでした。
 これまで、映画の製作と配給を通して数々の平和を願う仕事を続けてきた私たちも、何らかの運動をおこさなければ…そんな思いが結晶して実現した上映会でした。
 しかしながら事は急を要すること…上映を決意して、その上映日までは何と2週間…普段では考えられないスケジュールでしたが、新聞にこの上映会の記事が掲載されるや、その日の電話は朝から鳴り続け、多くの方々がこの上映会への賛同の思いを語って下さいました。
 そして当日…。
 50年ぶりにスクリーンによみがえった「ひまわり」は、変わらぬ感動で戦争の不条理さと悲惨さを語り、観客席には涙をぬぐうハンカチが…。
 そして上映終了後は、ウクライナご出身のTさんが登壇、ていねいに、そして誠実にウクライナの素晴らしかった記憶と、今戦火にじゅうりんされている祖国の悲しさを、時には声も詰まらせながら語って下さいました。
 会場は、平和への願いで一つになり、会場からTさんを送り出す大きな拍手は、彼女へ、そしてウクライナの人々への大きな連帯の表明でもあったのでした。
 会場入口にかかげられた、ウクライナ支援を訴える募金箱には、次から次へと善意のお金が投じられ、全ての上映が終わった時その総額は、なんと42万余円を数えたのでした。
 自己責任論が語られ、息苦しささえ感じられていた現代の日本社会に、それでも人が人を支え、平和を願う声が確実にあることを、この上映会は示してくれた様です。
 遠くウクライナに、平和への願いを届けながら…。
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涙をぬぐいながらウクライナ語るTさん

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募金箱にはたくさんの支援が


# by cinema-tohoku | 2022-04-12 17:15 | 映画 | Comments(0)
  プーチンによる、ロシア軍のウクライナ侵攻は、平和を願う世界の声を無視するように拡大を続け、それに伴って戦争での犠牲者の数も増え続けています。
 昨年11月、惜しまれながら他界した瀬戸内寂聴さんは、生前戦争についてこんな言葉を語っていらっしゃいました。
 〝戦争にいい戦争は絶対にない。全て人殺しです…。″と。
 そして、ご多忙なお時間を割いて瀬戸内さんは、戦争に反対する集会にも、度々ご参加をされていました。
 〝行動しなければ…。″そんな思いで、私たちも戦争に反対する一歩を踏み出そうと思いました。
 前回のブログでご紹介した、映画「ひまわり」の仙台上映を決定しました。
 事は緊急を要すること…準備の時間は僅かですが<緊急ウクライナ支援上映会>として、4月9日(土)仙台メディアテークを会場に、平和への声をあげることにしました。
 この上映会に幸い、在仙のウクライナご出身の女性の方が、ご賛同の手を重ねて下さり、当日は、上映終了後観客の方々に、支援のお話もして頂くことになりました。
 先日、お仕事でご出張中のお時間を割いていただき、彼女とのスマホでの初のご面会をしました。
 彼女のご出身地は、ロシア国境の町<ハリコフ>…、真っ先にロシア軍に蹂躙された町でしたが、彼女のお母さまはここにお住まいで連絡が取れず、お兄さまは国を守る兵士となって戦線に発ったことを、彼女は心の中の怒りをこらえるようにして私に語って下さいました。
 この拙文をお読みの方々に心からのお願いを申し上げます。
 この<ウクライナ支援上映会>に足を運んで下さい。
 そして、ここで胸に刻んだ戦争の悲惨さを、一人でも多くの方々に語っていただきたいのです。
 皆様のおいでを、心からお待ち申し上げます。
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# by cinema-tohoku | 2022-03-30 15:32 | 映画 | Comments(0)