カテゴリ:映画( 56 )


 「エクレールお菓子放浪記」をご覧になった方は作品を思い起こしてください。

 劇中、石田あゆみさん扮する「フサノバアサン」の住む「ボロ屋」(大家さんごめなさい)が出てきました。

 このシーンを撮ったのが宮城県富谷町でした。

 このシーンの他にも、映画館のセットや戦後の闇市のオープンセット等々、富谷町の方々のたくさんの心やさしいご支援をいただきながらこの作品は完成したのでした。

 そんな富谷町を久しぶりにお訪ねし、町長さん(撮影時の町長さんとは変わっていました)とお会いしたのは「ちえりとチェリー」上映拡大のご要請でのことでした。

 町長さんは、私からのひとしきりの「ちえりとチェリー」の願いを受け止めて下さり、更に話はいつの間にか「エクレールお菓子放浪記」のことに・・・。

 実は、富谷町は全国の市町村の中では珍しく年々人口増加を重ね、本年10月にはめでたく「新市」の立ち上げになるとのことでした。

 この記念行事の一つとして「エクレールお菓子放浪記」の上映を検討したいと語る町長さんは、町のイメージアップの一つとして「スイーツの町」を企画し、そして何と映画撮影の時にフサノバアサンの家として使った「ボロ屋」を現在改装中で、間もなくユニークなスイーツの店となってオープンすることを私に語って下さいました。

 帰路立ち寄ってみました。

 ごうつくバアサン、フサノさんが住んでいたあの家は、その姿と雰囲気を残しながらも、新たな町の看板となるべく改装工事の真っ最中でした。

 間もなく昭和の風情を伝えるユニークなスイーツの店としてオープンとなる様です。

 どうぞ皆さんも足を運んでみて下さい。

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フサノバアサンの家のシーン(『エクレールお菓子放浪記』より)

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あのボロ屋は改修の真っ最中




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by cinema-tohoku | 2016-03-22 10:15 | 映画 | Comments(0)

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製作スタッフも並び賑やかな仙台上映


 長い長い時間をかけながら準備を進めて参りました「ちえりとチェリー」の被災地3県での先行公開が、そのスタートを切りました。

 全国トップを切ったのは仙台、そして翌週には盛岡市・・・この作品はいよいよ全国への長い旅を始めることとなったのです。

 当日は、中村監督、プロデューサー始め製作関係の方々も遠路東北に足を運んで下さり、賑やかな発進の日となりました。

 ここに至るまでに「試写会」は数多く重ね、作品にお寄せいただく反響を一定は把握してはいましたが、それぞれ1,000名に登った多くの観客の方々とこの作品が触れるのはこの日が初めてのこと、観客の方々がどう受け止めて下さるのか、まさに探る様な思いでの開映となりました。

 映画が始まるや、ちえりが自らの想像の世界でチェリーと一緒に繰り広げる不思議な冒険の世界に観客は引き込まれ、まさに場内は水を打った様な静けさに包まれ、上映が終了するや観客の方々は、満場の拍手でこの作品の旅立ちを祝って下さいました。

 殊に当日は子どもたち・・・学齢にはまだ遠い3才、4才の小さな子どもたちもたくさん会場に足を運んで下さいましたが、身じろぎもせず、そして時には涙をぬぐいながら映画と向かい合う姿に、ホッと胸をなでおろした私たちでありました。

 子どもたちの成長の危機が語られ、日々ひたすらに刺激のみを伝えようとする映像の氾濫の中に育っている子どもたちが見せたこの作品への反応に、改めて子どもたちが持っている「感性」の素晴らしさと可能性を実感した上映会となったのでした。

 上映会終了後は、撮影に使われた人形も展示され、グッズの販売共々嬉しい大混雑のロビーとなりました。

 心を込めて製作されたこの作品に寄せた子どもたちの反響に、これから始まる全国公開成功への決意と責任を胸に誓った東北の初日でした。

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撮影に使った人形は大人気

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グッズの販売コーナー



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by cinema-tohoku | 2016-03-07 12:17 | 映画 | Comments(0)


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出雲大社も上映成功を祝ってくれている様でした


 長い長い時間をかけながら、一歩一歩ていねいに歩みを進めて来ました「じんじん」出雲市上映がやっと本番上映の当日を迎えました。

 改めて振り返って見るなら、事の発端は米子市で「じんじん」をご覧になって大感激したMさんが、恐る恐るご連絡をとって来て下さった一昨年前にさかのぼります。

 “とても素晴らしい映画…。出来れば出雲市での上映を実現して、一人でも多くの方々にお伝えしたいのだが、映画上映の経験もなければ、何の組織の裏付けもない…、こんな私でも上映が出来ましょうか。”と。

 その願いにお応えするべく、初めて出雲市をお訪ねしたのは一昨年の11月のことでした。

 それから数えるなら何と15ヶ月にのぼる、まさに「スローシネマ上映運動」の道のりでした。

 Mさんの心を込めたお呼びかけに賛同し「観る会」のメンバーに加わって下さった方は14人、絵本の読み聞かせ活動をやっている主婦、元教師、出雲で演劇活動をやっている方…。

 そんなお一人お一人のご賛同をていねいにつむぎながらこの日の本番の上映を迎えるまでには、これ位の長い時間にわたる運動の醸成期間が必要だったのかも知れません。

 朝方の雨もあがり上映が始まる頃には青空も…、緊張で前日は充分に眠れなかったと語るMさんと14人の仲間たちの心を込めた「じんじん」上映会には、600名にのぼる市民の方々が足を運んで来て下さいました。

 ドラマが終盤に差し掛かるや会場にはすすり泣きの声も聞かれ、上映終了後にはお金を払った「お客様」が主催者に深々とお礼をする…そんな素晴らしい上映会となりました。

 経験も組織もない、それでもたった一つ“多くの人に伝えたい!”そんな一人の女性の思いが600人の共感となって拡がった…これは見事な「スローシネマ」の典型の上映でありました。

 上映終了後、会場そばの中華料理店でささやかな、それでも心のこもった懇親会となりました。

 懇親会では、楽しかった、このままお別れするのが悲しい... 映画はお金を払って観るものだと思っていた。自分たちが上映会など出来ないと思っていたが、こんなすごいことをやれたんだ...。 等、感動に頬を染めたメンバーの声は、いつまでも出雲の冬空に響いていました。

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若い方々も目立った出雲市上映

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楽しかつた懇親会




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by cinema-tohoku | 2016-02-25 13:47 | 映画 | Comments(0)

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 以前のブログでもご紹介していました、福井県越前市を舞台に製作されていた「つむぐもの」が無事完成を迎え、昨日は東京での試写会がありました。

 この試写会は、前田プロデューサーが以前からお付き合いのあった参議院議員石田昌宏様始め、関係の方々にご覧いただくため開かれたものでした。

 ご自身も保健師、看護師の資格をお持ちの石田議員は「看護の力で日本を取り戻す!」をスローガンに、これまでも保健医療、福祉のより良き政策実現にご努力されて来られた方。

 前田プロデューサーの語る本作に向けた夢に共感し、ご多忙のお時間を割いてこの日の試写会においでいただいた、とのことでした。

 又、石田議員のお誘いで、福井県選出の参議院議員滝波宏文様の他2名の国会議員の先生方もご参加され試写会は開映となりました。

 越前和紙の里を舞台に展開される、ひたすらに人と人とが心を通わせようとするドラマに、観客は観入り、時には笑い、そして時には涙を流し、107分のドラマがエンドを迎える時には、満場の拍手で観客の皆様方はこの作品の出発を祝って下さいました。

 上映会場からお出になる方々は皆、感動で頬を赤く染め、中には上映終了後のロビーでもいまだ感激が止まずに、肩を震わせて号泣する男性の姿も...。

 心を込めて、ていねいにつむぎあげられたこの作品は、静かな、それでも深い何かを観客の胸に刻み付けた様でした。

 319日東京有楽町のスバル座を皮切りに、長い公開の旅に立つこの作品の背を、その素晴らしい未来に向けて押し出してやりたい...そんな決意を胸にした昨日の試写会でした。

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試写会の前に、石田議員、滝波議員、のご挨拶が



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by cinema-tohoku | 2016-02-03 13:28 | 映画 | Comments(0)

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越前市の街並み


 福井県の古都郡越前市を舞台に、一本の映画が製作の最終盤を迎えています。

 「つむぐもの」、要介護となった一人の頑固な和紙職人と、その介護にあたる韓国籍の娘との葛藤をのりこえた和解を感動的に描く作品です。

 この作品で主役をつとめたのが、大ベテラン石倉三郎さん、何と映画の主役はこの作品が初めてとのことでした。

 既に撮影は終了し、最後の編集段階となり、公開についての検討が幾度かにわたって重ねられてきました。

 この作品でプロデューサーをつとめたM氏は、若いながらも熱き情熱をその胸にたたえた方...、人と人との心を通わせようとするこの作品の公開にあたって、その上映を都市部の劇場のみに止めず、映画館がその姿を消した小さな市にも町にも届けたい...こんな願いを携えて私に連絡をとって来て下さいました。

 シナリオを読んで、その確かな視点に感銘し、非劇場分野での配給をお引き受けして、地元関係者との顔合わせのため初めて越前市を訪れました。

 数々の歴史に彩られた古都は、寺社と蔵が連なる街並み...。

 そして、この作品の直接の舞台となった越前和紙の里、旧今立町では1300年の歴史を誇る紙の神社が、黄色く染まった銀杏の巨木の中に見事なその姿を描き私たちを迎えてくれました。

 そしてその夜、懇親を兼ねた場でお会いした越前和紙工業協同組合のI理事長さんは、いかにもおやさしそうな瞳を細めて、映画公開に向けた数々の夢も語って下さいました。

 改めて見つめるなら「介護の心」は、数々の障害を乗り越えて、人と人との心を通わせようとする努力なのかも知れません。

 年齢も、そして国境さえも超えて心を通わせようとするこの映画の二人の願いは、まさに「介護の心」そのものを語ろうとするものなのかも知れません。

 こんな心やさしき人の願いを、これにご賛同の数多くの方々の心をつむぎながら全国に大きく育て上げてゆきたい...こんな思いを強くした北陸越前の旅でした。

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今立町 紙の神社



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by cinema-tohoku | 2015-12-10 16:57 | 映画 | Comments(0)

 秋も深まった111日、幕張メッセの国際会議場は、全国から集まった、より良い高齢化社会を願う1,000名の方々の熱い熱気に包まれていました。

 東北大学の川島隆太先生が開発した「脳トレ」を通して、認知症の予防や改善にあてようとした「学習療法」は、これを全国に拡げ、このことを通して「地域社会の再生」を計ろうとした「公文」の方々の手で、その輪は大きく拡がっていました。

 このシンポジウムは、「学習療法」が開始から10年を数え、ここからの更なる発展を願って、そのスタートとして開催されたものでした。

 「学習療法」をテーマに製作した長編記録映画「僕がジョンと呼ばれるまで」の全国配給に取り組んでいる私も、川島先生のご講演があるとお聞きして参加して来ました。

 このシンポジウムの冒頭ご講演に立たれた川島先生は、50分の限られたお時間でしたが聴く者の心に響く語り口調で、高齢化社会のあり得べき素晴らしき未来について語って下さいました。

 そのキーワードは「スマートエイジング」…。

 年を重ねることは成長であり、加齢は発展である。

 脳を意識的に使い、脳の前頭葉を活性化させることが出来れば、その先には素晴らしい高齢化社会を実現出来る…。

 そんな、あり得べき未来を、先生は分かりやすく私たちに語って下さいました。

 そして、それに引き続き上映された「僕がジョンと呼ばれるまで」は、前段の川島先生のお話を受けてのものだったこともあり、観客の胸に高齢化社会に向けた確信も語ってくれた様でした。

 このシンポジウムにご参加された方々の輝く表情を拝見して、こんな一歩一歩の運動の積み重ねが、きっといつかは素晴らしい未来を拓く…。

 そんな思いを胸にしまって、次の出張先京都へ向かったのでした。

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熱心に意見が交わされた全体会
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映画に出演のジョンもシンポジウムに駆けつけてくれました



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by cinema-tohoku | 2015-11-19 17:32 | 映画 | Comments(0)

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 震災からの復興と子どもたちの健やかな未来を願って、岩手県に引き続いて昨日(1029日)宮城県上映運動のスタートが切られました。

 この日はこの作品の宮城県上映にご賛同された方々が河北新報ホールにお集まりになり、県内初となる試写会、「ちえりとチェリー」が繰り広げる少女の想像の世界を堪能しました。

 昨日の試写会でも感じたのですが、この作品は不思議な作品と思えるのです。

いわば“山あり谷あり”の物語りではありませんし、どちらかというと感情の高ぶりをあえて抑えながら淡々と語られる作品なのです。

 それなのに、観ているうちに不思議に作品の中に引き込まれ、いつの間にか主人公の「ちえり」に感情移入している自分に気づかされるのです。

 人形アニメーションが持つ、不思議なやさしさのせいなのかも知れませんが、何より、この作品完成に込めたつくり手たちの熱い熱い思いがいつの間にか伝わっているからなのかも知れません。

 昨日もご覧になった方々は、涙をぬぐい、上映終了後は交々に熱い感動が語られる試写会になりました。

 映画の感動が余韻として残っていたのか、その後開かれた呼びかけ人会議では活発なご意見が交わされ、宮城でも上映の運動はスタートを切ることになったのでした。

 こんな熱い思いを持ったつくり手たちの結晶を、東北被災地の多くの親と子どもの胸にお届けしたいものです。

 そして、被災地から全国に大きく育てて送り出したいものです。

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仙台での呼びかけ人会議の様子



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by cinema-tohoku | 2015-11-05 11:30 | 映画 | Comments(0)

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 以前のブログでもご紹介しておりました、人形アニメーション「ちえりとチェリー」が、被災地の復興と子どもたちの健やかな心の成長を願ってその上映の準備をスタートさせました。

 本年3月、宮城県石巻市で全国初めてとなる被災地からの発信上映を開催、それ以降全国上映実現への努力を重ねて参りましたが、石巻上映以降、この作品の上映の意義を更に大きく語ることになった悲しい事件が起きていました。

 岩手県矢巾町では、中学2年の少年が不当な“いじめ”によって、たった13年にしかならないあまりに短かった命を自ら絶ちました。

 そしてもう一件は、この事件を追うようにして明らかになった仙台での、これも“いじめ”に起因する中学生の自殺でした。

 私たちが地域社会と国の未来を見つめた時、そこには当然のように未来へのバトンを受け継ぐべき子どもたちの成長が前提となっています。

 そんな子どもたちの未来が閉ざされた時、それは国の未来そのものの危機であるのではないでしょうか。

 今の時代に生きる私たち大人は、こんな子どもたちの心からの叫びを受け止めて、真剣にこの問題と向き合わなければならないところに来ているのではないかと思えるのです。

 “子どもたちの心に命の輝きを取り戻すために・・・”

 そして今、そんな願いを込めた「ちえりとチェリー」はこの世に生を授かり、全国に向けて上映を発信させようとしているのです。

 全国公開に向けた第一歩は、岩手、宮城、福島の被災3県からおこしてゆくことになりました。

 被災地の復興と子どもたちの心の成長を願った私たちの上映企画は被災3県に輪となって拡がり、上映成功に向けた「上映運動」はスタートをきったのでした。

 あの日から5年を迎える明年春、こんな願いは全国に向けて誇り高く発進することになります。


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by cinema-tohoku | 2015-10-26 09:56 | 映画 | Comments(0)

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 親による虐待や子殺し、いじめに起因する子どもたちの自殺、独居老人の孤独死、声高に自己責任を叫びながら語られる一方的中傷...、いつの間に私たちの国はこんな姿になってしまったのでしょうか。

 こんな閉塞感でいっぱいになってしまった様な現代社会に、まるで宝物の様な一本の映画が生まれました。
 「きみはいい子」原作者中脇初枝さんの世界を、呉監督が見事な演出力で映像化した作品です。
 この物語は、架空のある町に生活する何人かの人々の心の揺れ動きを織り成しながら語られてゆきます。
 地域社会の中に孤立し、心ならずも娘に手をあげてしまう母親...子どもたちの背負っている家庭の影に気づき、その子ともう一度しっかりと向かい合おうと決意する新任の教師...障害を持った子どもをかかえ、押しつぶされそうになりながらも必死に生きようとする母親...そして、たった一人で生活しながら地域をやさしく見つめる老人...。
 地域社会の崩壊が語られ、今や地域社会の基礎単位であるべき家族さえ揺らぎ始め、そこに起因する悲しい事件が毎日の様に報じられる様になってしまった現代社会に、この作品は、それでもまだ大丈夫...丁寧に人と人との心をつないでゆけば、きっと一すじの光が差し込む時がやって来ることを、やさしい言葉で私たちに語ってくれたのでした。
 高知県四万十市ご出身の原作者中脇初枝さんは、こんな言葉も語って下さいました。

“わたしは四万十川のほとりで近所の人たちから「べっぴんさん」と呼ばれながら大人になりました。
わたしがべっぴんだったからではありません。
あの時代、あの川べりの町に暮らしていた女の子たちは、みんなそう呼ばれ、近所の人たちに見守られていました。
その時はそれが当たり前のことだと思っていましたが、今になって、なんて幸せな子ども時代だったのだろうと気づきました。”

 なんと心やさしい地域社会に子どもたちが抱かれ、確信を持ってその未来に向けて育っていた時代だったのでしょうか。
今一度立ち止まって、地域社会と子どもたちの未来を語るきっかけになれば...。
「きみはいい子」は私たちの手によってもお伝えしてゆくことになりました。


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by cinema-tohoku | 2015-09-17 16:24 | 映画 | Comments(0)

 3回続きもののブログになりました。

 前号でお知らせしていました「「ソ満国境 15歳の夏」の二本松市・浪江町会合同での試写会が二本市駅前の会場で開かれたのは、あの焼けつく様な太陽もすっかりその姿を消し、一転して秋を思わせる冷たい霧雨が降りしきる日のことでした。

 この日は、ご多忙のスケジュールを割いてご参加いただいた両首長様をはじめ、50名程の関係住民の方々がお集まりになり、両首長様のごあいさつで試写会は開会となりました。

 又この試写には、撮影の時お世話になった御礼と、完成のご報告もかねて、この作品を手がけた松島監督も足を運んで下さり、引き続いてのごあいさつに立っていただきました。

 私は、松島監督とは既に何度もお会いしておりましたし、福井ではご一緒に盃を交わしたこともございました。

 仕事がら、これまでも何人もの監督と仕事をして参りましたが、松島監督はその中でも際立って誠実な、そして決して声を荒げない、丁寧なかつ冷静なお話をなさる方だと思っていました。

 何とその松島監督が、ごあいさつの途中で思いがこみ上げ、胸が熱くなり、言葉につまってしまったのでした。

 企画から数えるなら5年におよぶ長い長い製作の旅...その間には数々の絶望もありながら、あの日の大惨禍が結果的には完成のはずみとなったのでした。

 「戦争」そして「大惨禍」をも乗り越えて「人の世の幸せ」を語ろうとした長い旅の末に完成した作品を持って被災地を訪れ、必死の思いで日々の生命をつないでいる浪江町民の方々を前にした時、監督の胸には数々の思いが去来したことでしょう。

 上映終了後、感動に頬を染めながら交々に熱い感動を語る被災地の住民の方々のお声に、やっと笑みのこぼれた松島監督でした。

 あの大惨禍から間もなく5年...あきらめずに語り続けなければ...そんな思いをずっしりと胸の底に蓄えた...そんな私にとっても大切な一日でありました。

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試写会でごあいさつをされる松島監督

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試写会終了後




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by cinema-tohoku | 2015-08-28 16:43 | 映画 | Comments(0)