カテゴリ:映画( 53 )

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c川口雅幸/アルファポリス・東映アニメーション


「虹色ほたる」…とても素敵なアニメ映画を観たことを、以前ブログで紹介しました。

 作り手の熱い熱い思いが結晶したこの作品を、改めて多くの方々の胸にお届けする道がないものか考えて来ましたが、まずはこの映画の原作者川口さんとお会いすることから始めてみようと思ったのでした。

 出版社を通してご了解をいただき、先日お会いしてきました。

 川口さんがお住まいの岩手県大船渡市は、三陸沿岸にひらいた港町、リアス式海岸が深く陸に切れ込んだ天然の良港に恵まれ、かつては遠洋漁業の基地としても栄えた歴史を持つおだやかな町でした。

 私がまだ子どもだった頃、大船渡には叔父一家が生活していて、夏休み家族で泊まりに行った時の記憶がありありと残っています。

 子どもの目に映った当時のこの町のにぎわい、叔父が連れて行ってくれた映画館で観た吉永小百合主演の「赤い蕾と白い花」、そして町の寿司屋さんでご馳走になったお寿司のまるでほっぺたが落ちてしまう程のおいしさ…。

 大船渡は数々の思い出を私の胸に刻んだ町でもありました。

 しかしながら、そんな大船渡はその姿を一変させていました。

 かつてそこにあった町並みはその姿を消して、新たな町づくりを担うダンプカーが縦横に走り回る…あの大船渡はそんな悲しい姿に変わり果てていました。

 暗澹たる思いでお訪ねしたご自宅で川口さんは、それでもさわやかなお顔に満面の笑みを浮かべて私を迎えて下さいました。

 ごあいさつの後、話題は当たり前の様にあの日のことに…。

 川口さんご一家は、長年にわたって時計、宝石、メガネを扱う商店を営んでいらっしゃいました。


 あの日まで、その店は大船渡駅前にあったと…。

 そして、3月11日…押し寄せた波の壁は、そのお店を完全に破壊して、更にそこにあった数多くの商品も奪って行きました。

 幸い、川口さんのご家族は九死に一生を得て、その後高台のこの地に何とかお店を再開した…こんなお話を川口さんは淡々と私に語って下さいました。

 川口さんの処女作となった「虹色ほたる」は、<夏休み>に寄せた少年時代の川口さんの憧憬にも似た思いがモチーフになった作品でした。

 あの年の夏休み、主人公が訪れたのは、もはや「ダムの底に沈んだはずの村」…。

 そして、この物語は、そこにあった筈の、地域コミュニティや輝く程の自然、人々のつつましやかな、それでも心豊かな生活のさまざまを語ってゆきました。

 そして出版…更にはアニメ映画化…まるで夢物語の様に順調に進んできたプロジェクトでしたが、映画完成の翌年、川口さんがお住まいの町と人々の営みは、ドラマに語られる村と同様に、水のそこに消えてしまったのでした。

 何とも不思議な運命に彩られることになったこのアニメーション映画…。

 それだからこそ…あの日から5年を経た今…もう一度、この作品に命を吹き込んで、川口さんの思いのつまった大船渡の町から全国へお届けしてみたい…。

 そんな思いを胸に大きく膨らませたこの度の旅でした。

 この町にもう一度、人の営みを蘇らせる力となるために…。 


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by cinema-tohoku | 2016-07-14 13:02 | 映画 | Comments(1)


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 このブログでも何回かにわたってご紹介して来ました「ちえりとチェリー」の被災三県での全国先行上映が次々と始まって来ていました。

 その一ヶ所一ヶ所には、子どもたちの健やかな未来を願う住民の方々の思いの結晶と、数々のドラマがあったのですが、そのひとつに宮城県栗原市の上映がありました。

 本年2月、上映実現の願いを携えて市役所を訪問した私達の思いを、栗原市長さんは熱く受け止めて、上映実現をお約束して下さいました。

 そして、市のご担当課が中心になって実施方法についての検討が加えられ、栗原市が選んだ上映方法は、市内の小学校1年生から4年生1,600名の全員鑑賞を実現し、子どもたちの心に命の輝きを灯そうとの方針でした。

 そして、先日その上映会が開かれ私も行って来ました。

 会場となった栗原市文化会館には、市内各所から子どもたちを乗せたバスが次々と到着し、会場は約700名の子どもたちでいっぱいに埋まりました。

 何せ元気いっぱいの子どもたち…しかも、授業が消えて映画鑑賞になったことへの浮き立つ様な思いもあって、上映前の会場の騒がしさは見事と云いかえてもよい程のものでした。

 そして、時は回り上映開始の時間に…。

 会場の客電が落ちるや、わくわくする映画への期待の表れか、一斉に大歓声が…。

 しかしながら、上映が始まるや、こんな子どもたちの反応は見事なまでに一変、会場は一転して水を打った様な静寂に包まれ、子どもたちは、スクリーンに繰り広げられるちえりの冒険を食い入る様にして見つめ、映画はそのままエンドを迎えたのでした。

 派手なバトルも、下品なギャグもない…ちえりたちが精一杯の思いを込めて「命の輝き」を見つめる54分のドラマを、栗原の子どもたちは、時には涙もぬぐいながら受け止めてくれたのでした。

 子どもたちの心の成長の危機が語られている今、この映画鑑賞会を通して子どもたちは、見事なまでの「感性」のきらめきを私に示してくれました。

 子どもたちの健やかな未来を巡って今問われている最大の問題点は、実は子どもたちの側にあるのではなく、この素晴らしい「感性」に何を伝えるのか…まさに課題は私達大人の側にあることもこの上映会は見事に語ってくれたのです。

 この映画に触れた全ての子どもたちの胸に、この作品の感動が生涯の記憶として残り、自らの心に「命の輝き」を育てる力となることを心から願った雨の栗原市の一日でした。

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会場は元気な子どもたちで満席



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by cinema-tohoku | 2016-07-11 17:36 | 映画 | Comments(0)

「男らしさ」と「潔さ」

 東北初の映画「健さん」の試写会を19日、仙台市内で開きました。

 日頃、シネマとうほくが、お世話になっている方々にまずはご覧いただき、その素直な感想をお聞きすることから事を始めてみようと思ったからでした。

 まさに探る様な思いで開いた試写会、その反響は幸い、熱く大きいものでありました。

 上映終了後、交々に語られた映画への熱い思いは、83年、ひたすらに人に対して誠実に、そして愚直に生き抜いた、高倉健さんの一人の男としての生き様が、そのままの形で観る者の胸に伝わった結果でもあったのだと思いました。

 そして、以前のブログでも触れました「エクレール・お菓子放浪記」の原作者西村滋先生がその一生をかけて語ろうとした「平和」への思いと、自らの人生を閉じるにあたってご手配された心やさしきお心配り…。

 ともすれば社会の劣化が語られる現代社会に、このお二人が残した足跡から私は「男らしさ」と「潔さ」を痛切に感じることになりました。

 ひるがえって、今朝のニュースでは、都知事が無言と無表情をつらぬきながら都庁を後にした映像が…。

 あれほど饒舌に内容の全くない言い訳を語っていたこの方が、一転して無言で都庁を去ったそのあとに残された言葉は、ニューヨーク・タイムズにも語られた「sekoi」の一言。

 何とも暗澹たる思いにさせられたこの間の一連の騒動…。

 そして、そんな彼の姿は、その対局にある最近私が触れた二人の男の姿と重ねて、そのお二人の生き方をより一層際立たせてくれたのでした。

 西村先生が残した人に寄せる限りない愛と、「平和」へのメッセージを、そして映画「健さん」が語る一人の男の誠実な生き様を…。

 伝えてゆきたいのです…。

 今だからこそ…。

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健さん

西村先生






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by cinema-tohoku | 2016-06-21 17:05 | 映画 | Comments(0)


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 「健さん」・・・こんな題名のドキュメンタリー映画が完成、先日関係者向けの試写会がありました。

 日本人なら誰ひとり知らぬ者はない・・・日本映画をまさに代表する名優高倉健さんを描いた初のドキュメンタリー映画です。

製作関係者から、映画製作にあたっては数々の困難な条件があったとお聞きしておりましたので、いささかの不安をかかえながらのスクリーンとの向かい合いでしたが、映画が始まるやたちまちのうちにスクリーンに吸い寄せられ、作品がエンドを打った時には熱い感動が私の胸をいっぱいにしていました。

 「高齢化社会」が語られています。

 この言葉が語られる時、いささかザラツイた思いにさせられるのは、この言葉の背景にある思いが見え隠れするからなのかも知れません。

 “高齢者が増えて国家財政は困難に陥っている・・・まことに困ったものだ・・・”と。

 ともすると「高齢化社会」は社会の負の要因として語られているのが通例なのではないでしょうか。

 しかし、本来高齢者達は、今日の日本の社会を作り上げてきた貢献者であり、その内にはいまだ大きな知恵も力も備わっています。

 そう考えた時、本来あり得べき「高齢化社会」は、高齢者がその最後の瞬間まで自らの力を発揮し、精一杯に社会と向かい合って生きることなのではないかと思えるのです。

 そしてそう思った時、高倉健は、その最後の時まで背筋をのばして時代と向かい合い、美しく生き抜いた一人の高齢者たる日本人であったことに気付かされたのでした。

この作品を見終わった私は、天国から健さんが“ガンバリましょうよ!”こんな声と共に私の背をやさしくたたいてくれた・・・そんな思いにさせられたのでした。

 無思想な、そして垂れ流しの様な映画がスクリーンを占めている日本映画の現状・・・。

 久しぶりに熱い映画に触れ、思わず胸がいっぱいになった「健さん」との出会いでした。


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by cinema-tohoku | 2016-06-07 12:05 | 映画 | Comments(0)

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c川口雅幸/アルファポリス・東映アニメーション

 「虹色ほたる」...こんな美しい題名のアニメーション映画が震災の翌年にあたる2012年に完成、全国公開がされていました。

 思いを込めて製作にあたったのは、これまでも数々の名作を世に送って来た日本アニメ界の老舗東映アニメーション。

 常には、「ワンピース」や「プリキュア」等、東映番線にのせるアニメを製作していましたが、日本にアニメーション文化の新たな地平を拓くべく、大きなそして誇り高い「志」を持ってこの作品の製作にあたったのでした。

 「ちえりとチェリー」の製作委員会のメンバーに加わったことがきっかけでお会いすることとなった東映アニメのA氏から、とにかく是非とも観て欲しい...、こんなご要望を受けて東映アニメの試写室でこの作品と出会うことになりました。

 今は亡き父との思い出を辿って訪れた、ダムの底に「沈んだ筈」の村...。

 そこで少年は、かけがえのない一ヶ月を過ごすこととなったのです。

 大きな、そして美しく輝く自然...心やさしき人々が織り成す地域コミュニティ...熱い友情...そして淡い恋...。

 日本はかくも美しい自然に彩られた国であったことを久しぶりに思い起こされる見事な美術表現の中にこの物語は語られて行きました。

 そして見終わった私の胸は、大きな感動に包まれたのでした。

 経済的な成長のみが語られ、人に対しての許容量も小さくなってしまったかの如き現代社会に生きる私に、この作品は一服の清涼剤となって、かつて私たちの国が持っていた数々の美しいものを私に語ってくれたのでした。

 終了後、A氏とプロデューサーのU氏と懇談となりました。

 この映画の製作にあたっては、あえてCGを排除し、全てを手作業の絵を連ねて作り上げたと...。

 作品の中に描かれる乱舞するホタルの表現さえもが...。

 久し振りに創り手たちの熱い思いの結晶に触れた思いで東映アニメを後にしたのでした。

 さて...いかにしてこの作品を多くの方々にお届け出来るか...そんな思いを頭に巡らせながら...。


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by cinema-tohoku | 2016-05-18 09:43 | 映画 | Comments(1)

 里山の木々をやさしい春の雨がぬらし、心さえ不思議に穏やかにさせられる卯月、思いを込めて製作が続けられて来た「つむぐもの」福井県上映の第一歩となる完成披露試写会が、越前市和紙の里で開催され、600席の会場を満席に埋めた福井県民は、越前を舞台に展開される心のドラマを堪能しました。

 この試写会には、監督の犬童さん、そして主演の石倉三郎さんも駆けつけてくださり、舞台からの心を込めたご挨拶に満場の観客は熱い拍手で応えて下さいました。

 今やほとんどの映画館が「シネコン」にその姿を変え、公開のしくみもすっかり変わってしまいました。

 かつての映画の公開は、都市部から地方へ...数ヶ月をかけて一本の映画が国中に拡がって行ったのでしたが、効率性を重視する「シネコン」はこんな時間のかかることは受け入れませんでした。

 結果、現在は全国一斉公開、そして数字をあげることの出来ない作品はたちまちのうちに切り捨てられてしまうのです。

 まさに大量消費文明を絵に描いた様なしくみが、本来時間もかけて育てるべき「文化」としての映画の世界にまで持ち込まれてしまっているのです。

 それでも「つむぐもの」はこの道を選びませんでした。

 この映画は、その上映にご賛同いただく多くの方々の手にゆだねながら、時間もかけ、そして丁寧に全国に上映の足跡をつむいで行くことを決意しました。

そして、この日はその歩みの第一歩の記念の日となったのでした。

 この映画を支えた数多くの福井県民の“大きく育て!”のお声に送られながら...。

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満員の会場

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監督、石倉さんのご挨拶



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by cinema-tohoku | 2016-05-02 17:16 | 映画 | Comments(0)


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 あの日から5年を越えた3月、被災地の復興を願って一本の映画が完成しました。

 「東北の新月」、カナダにお住まいの日系3世リンダ・オオハマさんが自らのルーツに関わる国の悲劇に触れ、止むにやまれぬ思いで映像化を決意、単身被災地を訪ねながら4年の長い製作期間を経てこの度完成した作品です。

 全国で初の公開が仙台で行われ、お招きに応えて行って参りました。

 この作品も素晴らしい人との巡り合いが織り成されながら完成の日を迎えた作品でした。

 被災地の復興を願って単身東北を訪れたリンダさん・・・しかしながらそれだけではこの作品は完成の日を迎えることはなかったかも知れませんが、東北の復興を願う彼女の熱い願いは、いつの間にか人の心から心へと拡がることになったのでした。

 最初に巡りあったのは、仙台市在住、元英語の教師をされていたSさん、彼女はリンダさんの願いに全面的に共感し、製作支援の人の輪はSさんの周りに一歩一歩拡がって行きました。

 そしてその手は私のもとにまで差し伸べられてきたのでした。

 ご要請に応じて初めてお会いしたSさん・・・、長年にわたって子ども達と向かい合ってきた「やさしさ」を全身から発信させながらも、意志的な瞳が印象に残る・・・Sさんはそんな姿で私の前に立って下さいました。

 請われるまま、映画界の仕組みや映画製作に必要なことなど・・・いくつかのご助言は申しましたが、目前の雑事についつい追われて有効なご助力はほとんど出来ないまま時間は過ぎていきました。

 風の便りに製作運動のご苦労と併せて、一歩一歩完成に向けたご努力を重ねておいでのことは耳に入っていましたが、この度、そのご努力が実って遂に完成の日となったのでした。

 会場を満席に埋めた方々の前には、遠くカナダから駆けつけたリンダさんの姿も・・・。

完成の日に頬を染めたSさん共々、感動的なそしてやさしい披露の日となりました。

 「東北の新月」・・・目には見えなくとも、大きな力が脈打っている・・・そんな東北の心をスクリーンは私たちに語ってくれました。

この作品がこれから歩む道の先に、被災地の復興を願った一日でした。

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舞台挨拶のリンダさん




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by cinema-tohoku | 2016-03-30 12:56 | 映画 | Comments(0)


 「エクレールお菓子放浪記」をご覧になった方は作品を思い起こしてください。

 劇中、石田あゆみさん扮する「フサノバアサン」の住む「ボロ屋」(大家さんごめなさい)が出てきました。

 このシーンを撮ったのが宮城県富谷町でした。

 このシーンの他にも、映画館のセットや戦後の闇市のオープンセット等々、富谷町の方々のたくさんの心やさしいご支援をいただきながらこの作品は完成したのでした。

 そんな富谷町を久しぶりにお訪ねし、町長さん(撮影時の町長さんとは変わっていました)とお会いしたのは「ちえりとチェリー」上映拡大のご要請でのことでした。

 町長さんは、私からのひとしきりの「ちえりとチェリー」の願いを受け止めて下さり、更に話はいつの間にか「エクレールお菓子放浪記」のことに・・・。

 実は、富谷町は全国の市町村の中では珍しく年々人口増加を重ね、本年10月にはめでたく「新市」の立ち上げになるとのことでした。

 この記念行事の一つとして「エクレールお菓子放浪記」の上映を検討したいと語る町長さんは、町のイメージアップの一つとして「スイーツの町」を企画し、そして何と映画撮影の時にフサノバアサンの家として使った「ボロ屋」を現在改装中で、間もなくユニークなスイーツの店となってオープンすることを私に語って下さいました。

 帰路立ち寄ってみました。

 ごうつくバアサン、フサノさんが住んでいたあの家は、その姿と雰囲気を残しながらも、新たな町の看板となるべく改装工事の真っ最中でした。

 間もなく昭和の風情を伝えるユニークなスイーツの店としてオープンとなる様です。

 どうぞ皆さんも足を運んでみて下さい。

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フサノバアサンの家のシーン(『エクレールお菓子放浪記』より)

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あのボロ屋は改修の真っ最中




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by cinema-tohoku | 2016-03-22 10:15 | 映画 | Comments(0)

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製作スタッフも並び賑やかな仙台上映


 長い長い時間をかけながら準備を進めて参りました「ちえりとチェリー」の被災地3県での先行公開が、そのスタートを切りました。

 全国トップを切ったのは仙台、そして翌週には盛岡市・・・この作品はいよいよ全国への長い旅を始めることとなったのです。

 当日は、中村監督、プロデューサー始め製作関係の方々も遠路東北に足を運んで下さり、賑やかな発進の日となりました。

 ここに至るまでに「試写会」は数多く重ね、作品にお寄せいただく反響を一定は把握してはいましたが、それぞれ1,000名に登った多くの観客の方々とこの作品が触れるのはこの日が初めてのこと、観客の方々がどう受け止めて下さるのか、まさに探る様な思いでの開映となりました。

 映画が始まるや、ちえりが自らの想像の世界でチェリーと一緒に繰り広げる不思議な冒険の世界に観客は引き込まれ、まさに場内は水を打った様な静けさに包まれ、上映が終了するや観客の方々は、満場の拍手でこの作品の旅立ちを祝って下さいました。

 殊に当日は子どもたち・・・学齢にはまだ遠い3才、4才の小さな子どもたちもたくさん会場に足を運んで下さいましたが、身じろぎもせず、そして時には涙をぬぐいながら映画と向かい合う姿に、ホッと胸をなでおろした私たちでありました。

 子どもたちの成長の危機が語られ、日々ひたすらに刺激のみを伝えようとする映像の氾濫の中に育っている子どもたちが見せたこの作品への反応に、改めて子どもたちが持っている「感性」の素晴らしさと可能性を実感した上映会となったのでした。

 上映会終了後は、撮影に使われた人形も展示され、グッズの販売共々嬉しい大混雑のロビーとなりました。

 心を込めて製作されたこの作品に寄せた子どもたちの反響に、これから始まる全国公開成功への決意と責任を胸に誓った東北の初日でした。

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撮影に使った人形は大人気

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グッズの販売コーナー



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by cinema-tohoku | 2016-03-07 12:17 | 映画 | Comments(0)


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出雲大社も上映成功を祝ってくれている様でした


 長い長い時間をかけながら、一歩一歩ていねいに歩みを進めて来ました「じんじん」出雲市上映がやっと本番上映の当日を迎えました。

 改めて振り返って見るなら、事の発端は米子市で「じんじん」をご覧になって大感激したMさんが、恐る恐るご連絡をとって来て下さった一昨年前にさかのぼります。

 “とても素晴らしい映画…。出来れば出雲市での上映を実現して、一人でも多くの方々にお伝えしたいのだが、映画上映の経験もなければ、何の組織の裏付けもない…、こんな私でも上映が出来ましょうか。”と。

 その願いにお応えするべく、初めて出雲市をお訪ねしたのは一昨年の11月のことでした。

 それから数えるなら何と15ヶ月にのぼる、まさに「スローシネマ上映運動」の道のりでした。

 Mさんの心を込めたお呼びかけに賛同し「観る会」のメンバーに加わって下さった方は14人、絵本の読み聞かせ活動をやっている主婦、元教師、出雲で演劇活動をやっている方…。

 そんなお一人お一人のご賛同をていねいにつむぎながらこの日の本番の上映を迎えるまでには、これ位の長い時間にわたる運動の醸成期間が必要だったのかも知れません。

 朝方の雨もあがり上映が始まる頃には青空も…、緊張で前日は充分に眠れなかったと語るMさんと14人の仲間たちの心を込めた「じんじん」上映会には、600名にのぼる市民の方々が足を運んで来て下さいました。

 ドラマが終盤に差し掛かるや会場にはすすり泣きの声も聞かれ、上映終了後にはお金を払った「お客様」が主催者に深々とお礼をする…そんな素晴らしい上映会となりました。

 経験も組織もない、それでもたった一つ“多くの人に伝えたい!”そんな一人の女性の思いが600人の共感となって拡がった…これは見事な「スローシネマ」の典型の上映でありました。

 上映終了後、会場そばの中華料理店でささやかな、それでも心のこもった懇親会となりました。

 懇親会では、楽しかった、このままお別れするのが悲しい... 映画はお金を払って観るものだと思っていた。自分たちが上映会など出来ないと思っていたが、こんなすごいことをやれたんだ...。 等、感動に頬を染めたメンバーの声は、いつまでも出雲の冬空に響いていました。

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若い方々も目立った出雲市上映

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楽しかつた懇親会




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by cinema-tohoku | 2016-02-25 13:47 | 映画 | Comments(0)