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     明けましておめでとうございます

 又、新しい年が巡って参りました。
 皆様ご健勝にて新たな年をお迎えのことと存じます。
 私の今年の年始めは、各地に散っていた子どもたちも久し振りに帰仙して、孫達にも囲まれての穏やかなお正月となりました。
 色々なご縁に結ばれながらこの世に生を授かって、その未来に向けて成長する孫達の姿をながめながら、この子等の行く末を案じてみるのですが、やはりその未来には、漠たる不安を感じざるを得ないのでした。
 私達の社会は、かつて経験したことのない程の早さで、大きな変貌を遂げようとしているのではないかと感じるのです。
 しかもその変貌は、人の幸せに寄り添ったものとは到底思えないのです。

 日本語の破壊は目に余るまでになって来ています。
 本来は裏社会の隠語だった「やばい」が、その意味を超えて日常的に使われ、これも本来は打消しや否定を表す「ぜんぜん」が、その真逆の状況を表す言葉としても使われる・・・。
 「メチャクチャ」は、道理に合わないさまや混乱したさまを表す形容詞であったはずなのですが、この使われ方は、まさにメチャクチャであります。
 そして、これらの〝間違った日本語〟が今や若者だけのものではなくなり、大人も含めて大手を振って使われています。
 かつて日本語は、恵まれた四季の移ろいや、豊かな情感を表現する美しい言葉をその中に散りばめながら受け継がれてきたものと思えるのに、今や吐き出される、〝ぜんぜん〟文法に合わない、〝メチャクチャ〟な言葉の数々に日本語の破壊さえ感じさせられるのです。
 言語は、本来その国の文化の根幹であるとするなら、この間の動きは日本の破壊であるかとさえ思えるのです。
 大量消費文明も、もはや行きつくところにまで来たのではないかと思えるのです。
 消費税は10%になったと言うのに、庶民に変わらぬ消費を求めるテレビを始めとした報道の姿勢、そしてそれをいともたやすく受け入れてしまう人々…。
 大都市はまるで不夜城の如く、深夜でも人と光があふれ、その電力を補うため、地方に立地する原発の必要性が語られる…。
 TVの放送やコンビニの営業が、24時間途絶えずに行われることが本当に必要なのでしょうか…。
 その反面、社会には様々な格差が拡大し、ネットを通して人を口汚くののしる言語があふれかえっているのです…。
 
 孫達の未来に思いをやりながら、ついつい絶望的な言葉を連ねてしまいました。
 でも、こんな時代にも、精いっぱいの思いで人の幸せを願った仕事や活動を続けている人々が確実に居ることも知っています。
 私達も、こんな人々と手を携えて、今一本の新作映画の製作の企画も始めました。
 子どもたちの未来が、光り輝くものとなって、その一人一人の上に降り注ぐことを願って…。
 あきらめずに、もうしばらくは映画を通して人と人との心をつなぐ旅を続けてみようと思います。
 本年も宜しくお願い申し上げます。
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by cinema-tohoku | 2020-01-08 11:20 | ご挨拶 | Comments(0)