おかみさん

海老名香葉子さん・・・故・林家三平さんの妻であり、三平さん亡きあとは林家一門を支え、数々の落語家を育てたお方、〝おかみさん〟と親しまれ、日本の母親のイメージを代表するお一人でもあります。

 昨日、台東区根岸にあるご自宅をお訪ねし、久しぶりのご面会のお時間をいただいたのは、現在製作準備中の「おおきくなぁれ」(仮題)にお力をお借りしたいと思ったからでした。

 1945310日・・・あの日海老名さんは、疎開先の沼津から赤く染まる東京の空を見つめていました。

 一夜にして10万人の命を奪った東京大空襲の業火は、海老名さんのご家族にもその手をかけ、彼女は戦後を孤児として生きることを強いられたのでした。

 幸い、故三平さんと出会い家庭を持ち、幸せな生活を送っていましたが、東京大空襲の犠牲者への祈りと、平和への願いがその胸から消えることはありませんでした。

 私が海老名さんとお会いしたのは、彼女の著作「あしたげんきになーれ」がアニメ映画化され、その全国配給を担当したことからでした。

 ご高齢のお体をおして、全国キャンペーンにお付き合いいただき、彼女は行く先々で、心を込めた平和への願いを語って下さいました。

 その後、海老名さんは私費を投じて、上野公園の一角に東京大空襲の犠牲者の慰霊碑を建立され、毎年39日にその前で慰霊祭を開かれてからは、私も毎年参加させていただいておりました。

 久し振りにお会いした海老名さんは、両頬に愛らしいエクボをたたえて、満面の笑顔で私を迎えて下さいました。

 84才におなりになりながらも、平和への熱い願いを持ち続けて来られた海老名さんは、私の語る「おおきくなぁれ」(仮題)の思いに全面的なご支援を約束して下さいました。

 一歩ずつ、まさに一歩ずつ歩みを進めながら、一本の映画は、こんなやさしい方々のお手に支えられてその魂を吹き込まれて行くことを実感し、胸を暖かい思いでいっぱいにしながら東京下町を後にしたのでした。

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おかみさんとご一緒に


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by cinema-tohoku | 2017-10-31 11:06 | 映画 | Comments(0)