新年あけましておめでとうございます。

 正月の松も取れようとする時に新年のごあいさつとは、何とも間の抜けたことになってしまいました。

 何かとバタバタしておりまして、新年のごあいさつが遅れましたことをお詫び申し上げます。

 一年が超特急で過ぎて行き、又新たな年が巡って来ました。

 昨年を振り返ってみて、今はやりで漢字をあてるなら、それは迷うことなく「忍」でありました。

 昨年は、私たちシネマとうほくにとって極立って困難な日々が続き、まさに、来るべき春を信じて耐え忍んだ一年でした。

 そして新たな年明け・・・・幸い、今年は久し振りに有望な作品が並び、大きな期待を抱かせる年明けになりました。

 今年、私たちが先ずもってお届けする作品は「母」。

 三浦綾子さんの原作を、84歳の年齢を数えることになった山田火砂子さんが監督、小林多喜二の母親役を寺島しのぶさんが演じる作品です。

 世界全体を覆う閉塞感が、新たな右翼的潮流も引き寄せ、未来に向けて漠たる不安を感じざるを得ない昨今、平和を願い、来るべき明日を信じて29歳の短い人生を駆け抜けた小林多喜二、そして我が子多喜二をひたすら愛し、多喜二の魂と共にその一生を歩んだ母セキの姿は、今日極めて大きな意義を語る作品となったのではないかと思えるのです。

 作品は無事完成を迎えて、東北では5月の塩釜市を皮切りに一斉に公開の準備が始められました。

 そして、本年秋から全国公開の予定となっているのが、私たちも製作に参加する映画「君の笑顔に会いたくて」です。

 宮城県名取市在住の保護司大沼さんをモデルに、子どもたちの輝く未来を願って製作準備中の作品です。

 幸い、地元宮城県では多くの方々のご賛同につながり、3月には製作支援県民運動組織の発足、そして9月から上映スタートの段となっています。

 そして更にその先に、本年秋クランクイン予定で動き出した企画が生まれました。

 詳しい内容は追ってご紹介しますが、この企画は私が、積年の思いを重ねてきたものでした。

 順調に行くなら明年春からの公開となる予定です。

 いつになく、作品が見事に並んだ一年・・・・これが「初夢」に終わらない様に、まさにフンドシをしめて今年一年を頑張る決意です。

 皆様方の変わらぬご支援を心よりお願い申し上げます。

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映画「母」


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前回のブログで「君の笑顔の会いたくて」の初山監督について触れました。

今回は、脚本を担当する西井史子さんについて・・・。

西井さんは奈良県にお生まれになり、一般企業の経験を経て、脚本家への道を歩まれた方です。

初山監督とメインスタッフの件で、ご相談していた折に、脚本家の候補として監督から出された西井さんのお名前に私はビックリ!

西井さんは、私にとって忘れることの出来ない製作作品となった「エクレール~お菓子放浪記」の脚本をご担当いただいた方だったのでした。

あの時、東京秋葉原で行われた初めての顔合わせに現れた西井さんのお姿に、ビックリさせられた記憶が今でも鮮明に残っています。

西井さんは、勝手ながら私が描いていた脚本家のイメージとは全く異なるお姿だったからです。

ご年齢は不詳ながら、そのお顔は愛くるしい程の若さに彩られ、語られるお言葉はまるで少女の如き響きとなって私の耳を打ったのでした。

この人が果たして・・・いささかの不安は、その後の脚本の作業で霧散・・・。

とにかく粘り強く彼女は稿を重ねて下さり、見事な決定稿は完成を迎えたのでした。

不思議なご縁で又、ご一緒の仕事となったのですが、彼女は変わらぬ粘りと情熱で完成台本に向けた仕事にあたって下さっています。

私たちが思いを込めて製作にあたるこの作品の、メインスタッフの2名がいずれも私にとってご縁のあった方々・・・。

不思議な運命が、作品の大成功へと私たちを導いてくれているのかも知れません。

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エクレール~お菓子放浪記


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 「君の笑顔に会いたくて」の製作準備が進んでいました。

 この作品で監督をつとめることになるのが初山恭洋さんです。

初山さんは北海道にお生まれになり、映像の世界を志し、テレビ・映画界の重鎮深町幸男監督に師事、その後多くのドラマや映画にその演出の腕を磨いて来られた方です。

 私は、2008年に公開となった、映画「那須少年記」の配給で初めてご一緒することになりました。

 風に吹かれれば倒れてしまいそうな細いお体ながら、メガネの奥の瞳に熱い力をたたえて初山さんは私の前に現れました。

 お話をして、その誠実さに心地良い思いにさせられたものでしたが、作品の演出にあたっても彼は、誠実な姿勢で、これにあたったのでした。

 「那須少年記」は、戦後まだ間もない頃の栃木県那須地方を舞台に、大きな、そして美しい自然に育まれながら、その未来に向けて傷つきながらも成長する少年たちの姿を描いた作品でした。

 当然ながら、この作品には多くの少年、少女が出演していました。

 その役を演じたのは、今やすっかり中堅俳優として大活躍の太賀や、まだデビュー間もなかったAKB48の前田敦子など・・・。

 初山さんは、こんな少年、少女たちの実際の心の成長をもねらって、皆で那須に合宿生活、そして撮影にあたっては「順撮り」の手法でこれにあたっていたのでした。

 映画の撮影は普通のケースでは、シナリオの各シーンを順番に撮るのではなく、設定された情景のシーンをそれぞれに全て撮って、後で編集でつないで完成となります。

 その方が、同じ場所に何度も足を運ぶ必要もなく、製作費の節約が計られるからなのです。

しかしながら初山さんは、合宿の期間中に成長するであろう子どもたちの心を信じて、映画ではまれな「順撮り」でこの撮影に望んだのでした。

 彼のねらいは見事に映像化され、担任の先生を守るため、子どもたちが立ち上がったラストシーンでは、彼らは見事な「感動的な演技」でこれに応えてくれたのでした。

 そして、それからずい分の時間が経って又、初山さんとご一緒することになったのです。

 私たちも製作の一翼を担う、そしてここ宮城から発信する心やさしき企画で・・・。

 きっと彼は、その持ち前の誠実さで、私たちの期待に見事に応えてくれることでしょう。


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那須少年記


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先日東京出張の折、時間を見つけて一本の映画を観ました。

 今、一本の映画製作の企画を私の胸に暖めていまして、その関わりで観ておこうと思ったからでした。

 2015年、香港映画興行収入No1.に輝いた実話にもとづいたドラマ。

 資金不足で先生が一人も居なくなり、5人の園児が取り残された香港郊外の幼稚園の園長を、信じられない薄給で引き受けた一人の女性・・・。

 それでも彼女の子どもたちに寄せる「教師」としてのこころは、子どもたちを、そしてその親たちの心をもつかみ、廃園寸前だった幼稚園を見事に再生させた、まるでおとぎ話の様な奇跡の物語でした。

 主人公が、困難を承知で園長を引き受けるくだりには若干の無理がありながら、そんなことはいつの間にか忘れさせる心地良いテンポでドラマは進み、そして大団円に・・・。

 観終わった私の胸には幸せな感動が残ったのでした。

 香港映画なのに、派手なバトルもアクションもなく、ひたすら子どもたちの夢を叶えようとする大人達と、その愛情をしっかりと受け止め、自らの未来に向けて成長しようとする子どもたちの姿に、久し振りにたっぷりと涙を流した1時間52分でした。

 統計を取り始めてから24年、毎年右肩上がりで増え続ける「児童虐待」の実相・・・。

横浜で明らかになった、福島から避難生活を送る子どもに浴びせられた不当な“いじめ”と、それを放置した学校の対応のおぞましさ・・・。

 日本での子どもたちを取り巻く実態に日々触れ、何とも暗澹たる思いにさせられていた私の胸を、この映画はさわやかな一陣の風となって吹き抜けたのでした。

 全ての子どもたちに限りない「夢」と「未来」を願う風となって・・・。

 それにしてもこの映画に登場する子どもたちの“演技”の素晴らしさ・・・。

 撮影当時は4才と5才だった子どもたちが繰りひろげる“名演技”にはまさに脱帽の思いでした。

 “子どもと動物に勝る名優はいない”と語られますがまさにその通りの一作。

 皆様もご一見を・・・・・・。

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 何度かご紹介していました「君の笑顔に会いたくて」(仮称)の製作準備が進んでいました。

 先日、私たちがこの作品の中で名取市と並んで撮影地として設定したいと願う、岩沼市の市長さんをお訪ねして参りました。

 私の語るこの作品の企画に市長さんは幸いご賛同いただき、ご協力を約して下さいました。

 その折に、市長さんから撮影スポットとしておすすめいただいたのが「千年希望の丘」でした。

先日、名取市を訪れた時、足をのばしてロケハンに行って参りました。

2011年東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた岩沼市沿岸部に震災瓦礫を活用して、最終的には15基の丘を造成し、再度の津波の際にはその力を減衰させ、又震災の記憶を伝えるメモリアル公園としての役割もになってこの丘の事業は始ったのでした。

 いまだにあの日の爪痕が生々しく残る海岸線に、それでもこの丘は広く太平洋と仙台空港を望みながら、スッキリとその存在を主張する様に姿を表していました。

 あれから5年… いまだに深い傷跡を語る町がある反面、その復興に向けて確かな歩みをおこした町もあることを、この丘は私に語ってくれたのでした。

  何とかシナリオを工夫して、この丘が語る「希望」と「未来」へのメッセージを映画の中に取り込んで見たい・・・・そんな思いにさせられたロケハンでした。

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青空を背景にした丘
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中心の慰霊碑



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