三浦綾子原作「母」が、現代ぷろだくしょんの手で映画化されたことは、以前のブログで触れました。

 東北での配給をお引き受けして以来、この作品を多くの方々の胸にお届けするべく努力を重ねて参りましたが、幸い、久しぶりにと思える程、東北での上映は各県の中に拡がり、ゴールデンウィーク最後の5月6日、このトップを切った宮城県多賀城文化センターでの上映が、見事なトップランナーの役割を果たしてくれました。

この上映を担った上映実行委員会では、いかにしたらこの映画を多くの方々にご覧いただけるか、幾度にもわたって議論を重ねて来ました。その中から浮かび上がって来た上映のすすめ方は、単に地区内の団体に券をお願いするだけではなく、映画上映成功にご賛同いただける数多くの方々に、「ご賛同者」としてお名前を連ねていただき、この方々と手を携えて成功をめざそうとの方針でした。

これを受けて実行委員会のメンバーは、地域への旺盛な働きかけを行い、集まった「ご賛同者」は何と321名にのぼりました。

この方々は、それぞれのよって立つお立場をこえ、「平和」と「民主主義」を語るこの映画上映成功の一点で実行委員会のお呼びかけに応えてくれた心やさしき市民の方々でした。

そして迎えた上映当日、初回の上映では500席の会場が満席に埋まり、結果的には650名の上映として大成功を収めることになったのでした。

上映成功に頬を染めた実行委員会のメンバーのお顔に、私もほっと胸をなでおろしたのでした。

それにしても上映会においでいただいた方々のほとんどは、ご高齢のしかも“女性„・・・。

まさに数える程しか見えない男性の姿に、男にとってもはや文化は生活の中からかけ離れた存在になってしまったのでは・・・いささかの寂しい思いも味わった上映会場でした。

 いよいよこれから各地での上映・・・人と人を信じ愛し合える社会実現のため、更に上映の輪を大きく拡げて行きたいものです。

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満員の上映会場



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# by cinema-tohoku | 2017-05-10 11:27 | 映画 | Comments(0)
 仙台では又、いじめによると思われる男子中学2年生の自殺が報じられました。
 2014年、そして 2016年に続いて連続して発生した、何と3件目の中学生を巡る悲しい報道に言葉もない思いです。
 一体何が、年端もいかない少年たちを死に追いやるのか・・・。
 たった13年しか生きることの出来なかった、あまりにはかない命に胸が痛みます。
 やはり、現代の日本社会は、何かとても大切なものがゆがみ始めて来ているのではないかと思えるのです。
 社会のさまざまな負の要因が大きな影となって、子どもたちの上に投げかけられているのではないかと思うのです。
 人と人とが互いに信じ合い、支え合う地域社会ではなく、強大な力のあるものにひたすら従順に従い、口をつぐみ、そしてそこからドロップアウトした者を徹底的に排撃する思想・・・。
 命を守り、命を育む心ではなく、命を捨てよ・・・と教える教育勅語を今の時代に追認しようとする信じがたい言論。
 そして、近隣国の狂気に乗じて戦時体制をあおろうとする報道・・・。
私たちの行く道を、もう一度立ち止まって、そして冷静に見つめ直してみる必要があるのではないかと痛切に思えるのです。
一つの命を守ることの出来ない国に、果たして未来はあるのかとも・・・。
それでも自然は巡り、今は一年のうちでも最も華やかな時を迎えています。
満開の桜が散って、さわやかな5月の風が、新緑のやわらかな黄緑色の葉を揺らしています。
花々は一斉にその命を謳うように咲きそろい、全ての命が萌え出すこんな時に、あまりに短い命を自ら断った少年の悲しさに、私たちは寄り添って、そしてそこから学ぶべきものを見つけなければならないと思っています。
そんな、子どもたちの命が輝く未来を願って、1本の映画がここ宮城の地を舞台に生まれ様としている今だから・・・。
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新緑の仙台ケヤキ並木


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# by cinema-tohoku | 2017-05-08 16:48 | その他 | Comments(0)
 「君の笑顔に会いたくて」の撮影が始まっていました。
 撮影現場は製作スタッフのもの…と決め込んで、私は全国の保護観察所回りに精を出しておりましたので、ほとんど現場には足を運んでいませんでしたが、この日は大阪からのお客様があり、お連れして久し振りの現場でした。

 なかなか天候に恵まれず、苦労の連続の撮影だった様でしたが、この日は一転しての晴天

 映画のラストシーンで、刑期を終えた啓太が、担当保護司だった香苗に自らの新たな出発を誓う、・・・このドラマにとって、とても大切なシーンの撮影の日でした。

 シナリオに語られた“2人を祝福する様な見事な満開の桜・・・„そのままに、撮影地となった、川崎町釜房湖畔の桜は、散りはじめの素晴らしい姿を私たちの前に披露してくれました。

 啓太を待っていた香苗の“おかえり„ そして、それに答える啓太の“ただいま„ これだけのシーンでしたが、啓太の一言がなかなかむずかしかった様で、何度も監督のNGが・・・ やっとOKが出た時は、スタッフたちのほっとした思いが、思わず一つにつながった春の一日の撮影現場でした。

 社会に目をやるなら、信じ難い出来事が毎日の様に報じられています。

 それでも、人を信じて、限りない人の未来をも語ろうとするこの作品は、多くの方々に支えられながら、7月末にこの世に生を受けることになるのです・・・。

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桜満開の現場


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# by cinema-tohoku | 2017-04-27 17:38 | 映画 | Comments(0)

 ていねいに、そして、時間もかけながら準備が進められていた映画「君の笑顔に会いたくて」宮城県製作上映運動の第一歩が324日全国に向けて踏み出されました。 

 この日は、映画「君の笑顔に会いたくて」製作と上映を支える宮城県民の会の発会総会、そして引き続く製作発表会、更には記念パーティが行われ、東京からご参加いただいた監督、出演者の洞口さん、筧さんを始めとしたこの映画にご賛同の県内の関係者80名が見守る中で、子どもたちの輝く未来を語る県民運動はそのスタートを切ることとなりました。

 振り返ってみれば、宮城県から「地域社会と家族の再生」や「子どもたちの健やかな未来」を願って県民が手を携えた映画製作運動は、今回で4回目を数えることとなったのです。

 その1回目は2004年製作された、長編アニメーション映画「ハードル」の県民運動でした。

“いじめ”をのりこえて未来に向けて育とうとする子どもたちを描いたこの作品の、製作にあたって、宮城県古川市(現大崎市)の市民の方々はその製作の舞台として名乗りをあげて下さいました。

 そして、製作支援県民運動として、<映画「ハードル」をつくる古川・大崎・みやぎの会>をたちあげて下さり、数多くの市民、県民の手を携えた製作運動に支えられ、この作品は古川市から全国に向けて旅立ったのでした。

 2回目の県民運動は2011年完成の「エクレール・お菓子放浪記」製作支援運動でした。

“支えあう人の心のやさしさ”を合言葉に、主要な舞台となった石巻市からあがった製作を願うお声は、たちまちのうちに全県に拡がり、県知事を先頭にした製作支援運動はまさに物心両面でこの映画を支え、20112月作品は完成を迎えました。

 そして全国発信の第一歩として、東京で完成披露試写会を開催したのは翌月310日のことでした。

 試写会は見事に成功をおさめ、いよいよ全国発信と思った何とその翌日、あの大惨禍が撮影地と東北での上映を全て破壊して行ったのでした。

 それでもそれ以降、この作品は被災地支援の象徴とも語られ、全国827ヶ所、45万人の観客の胸に届くことになったのでした。

 そして、3回目は2013年製作の「じんじん」でございました。

 北海道剣渕町と並ぶロケ地に、主演の大地さんの願いで松島が選ばれたのは、その

世界にも誇る美しい景観と、被災地支援に寄せる思いからでした。

 この報を松島町民は大きな喜びで受け止めて下さり、村井知事を先頭にした県民運動で製作を支えて、この作品は完成後全国550ヶ所、26万人のやさしい心をつなぐこととなりました。

 これ程連続して、映画を通した全国発信の県民運動が展開されて来たのは、宮城県以外にはなかったのだと思います。

 まさに、「心やさしき地域社会」と「子どもたちの未来」を願う宮城県民の全国に誇るべき、これは足跡でもありました。

 そして、この度の「君の笑顔に会いたくて」は数えて4回目の県民運動となったのです。

 県内にそして、全国に子どもたちの笑顔が輝く未来を夢見て・・・。

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右から、洞口さん、原作大沼さん、筧さん


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# by cinema-tohoku | 2017-03-30 09:44 | 映画 | Comments(0)

 映画「君の笑顔に会いたくて」製作準備に追われていました。

 映画の製作は、その完成にたどり着くまでに、いくつもの段階がありますが、その一つに、ロケーションハンティングの作業があります。

 シナリオが完成しますと、各シーン毎に、撮影場所を決めなければなりません。

 監督の描く情景のイメージを受けて、それぞれのシーンに撮影場所を当てはめていく作業がロケーションハンティング、通称ロケハンと呼ばれる作業です。

 幸い「君の笑顔に会いたくて」では、メインの撮影地となる宮城県名取市、岩沼市の市民の方々がロケハンに乗り出して下さり、いくつかの候補地を挙げて検討に入っていました。

 その中で問題となったのが、この映画のラストシーンで、とても大切なシーンの設定の件でした。

 心ならずも犯罪を犯した少年が刑期を終え、新たな出発を主人公に誓うラストシーンは、この二人を祝福する様に満開の桜の下で‥…となっているのです。

 クランクインが4月半ばに決まりましたが、この頃にはおそらく名取、岩沼周辺の桜は散っている可能性が大、気まぐれな桜の開花に対応できる別途の撮影地が必要となったのでした。

 ここに登場したのが宮城県川崎町でした。

 川崎町は、宮城県の西部、蔵王山麓に拡がる地で、平野部よりは遅い桜となることが予想される地でした。

 又、この川崎町は原作者大沼さんのご出身地でもあり、更に川崎町の町長さんは県内でも屈指の映画好き・・・・これまでもシネマとうほくの作品も町内での上映にお取り上げていただいて来た熱い心をお持ちの方でした。

 早速町長さんをお訪ねして、ご相談したところ、私の願いをご快諾いただき、先日のロケハンには、何と町長さん自らご案内役を買っていただいたのでした。

 半日をかけて町内の桜のスポットをご案内いただき、ロケハン終了後は、おいしおそばまでごちそうになり、ロケハンは無事終了したのでした。

 感動的なシーンとなるだろうこの映画のラストシーンには、川崎町の見事な桜がまさに花を添えてくれるものと思います。

 お楽しみに‥‥。

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川崎町長さんとお蕎麦屋さんで



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# by cinema-tohoku | 2017-03-27 16:16 | 映画 | Comments(0)